古本で買った呪術を実際に試してみた (Page 5)
ゆっくりと余韻を味わいながら公輝は、菊門から男根を引き抜く。
仄暗い充足感が公輝を満たしていた。
超常の力を使い、知り合いの女を凌辱する。こんなことが現実にできるなんて。
公輝はスマホを取り出し、ぐったりしている五十鈴を撮影する。
「この写真、ばら撒かれたくないよな? それなら――」
違和感を覚え、公輝は胸元を触った。ずっしりと重たい感覚がある。言葉が喉につっかえて出てこない。
「……さ……い」
細切れになった言葉が辛うじて公輝の耳に入ってきた。
だが、それよりも胸の違和感と重さが、今や無視できない圧迫感となって公輝を混乱させる。
「絶対に、許さない」
自分の背後に立つ公輝を涙を流しながら、五十鈴が睨む。その瞳は憎しみに炯々と光るようで、公輝は圧倒される。
「……っ」
胸の苦しさにいよいよ公輝は立っていられなくなり、膝をついた。
一体何が起こっているのか、まるで理解できないまま、公輝は何やら正体の分からないガラクタを振り上げる五十鈴を見つめていた。
他人を呪えるのであれば、他人もまた自分を呪えるのだ。
呪いは一所に留まらず、公輝にも感染した。
そして、五十鈴は公輝以上の憎しみという意思で彼を呪った。
ただ、それだけのこと。
他人へ向けた呪いが己へと帰ったのだ。
だが、そんなことを公輝が知る猶予はない。
公輝は不条理な呪いではなく、己の蒔いた種によって死ぬだろう。
人を呪わば穴二つ。
他者へ向けた悪意の種が殺意となって芽吹いた。
五十鈴は殺意を以てして公輝にガラクタを振り下ろす。
僅かな間を置き、血と脳漿が薄汚い花弁の如く散った。
(了)
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