あなたを拷問してみたい (Page 6)
「美空も悪かった、浮気を疑って」
「いいのよ」
美空が微笑む。
「私が浮気なんてする訳ないって分かってもらえて良かったわ。その代わり、誠意は見せてよね」
「分かってる」
伊田が安心したように苦笑する。
いたたまれない思いで文也は体を縮こませていた。
浮気していると決めつけていたから、やりたい放題やってしまった。美空が言いつければ、文也の立場は困ったものになる。
「文也さんも私が浮気なんかしないって分かってくれたみたいだし。ね?」
「え、ああ」
「これからもよろしくね」
文也が用意したワンピースを着ている美空は、ついさっきまで淫らな痴態をさらしていた事など嘘のようにさわやかに微笑んだ。
これから俺はどうすればいいのかと、拷問を受けているような心境で文也は内心うめいたのだった。
(了)
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