義父の手管

・作

柳沢五郎は、息子の弘樹とその妻美奈子と同居生活を送っていた。息子が3ヶ月もの長期出張に出て美奈子とふたり暮らしになって1ヶ月が経った時、美奈子が自慰にふける姿を目撃したことをきっかけに五郎は自分の中に眠っていた欲望を思い出して彼女を犯した。女性を快楽漬けにして堕とすのが得意な五郎は、拒んでいた美奈子が離れられなくなるような嬲り方を続けていく。夫のいない家で知らなかった性感を開発された美奈子はついに…

トントン、と自室のドアをノックする音が聞こえて、柳沢五郎はベッドに腰掛けたまま応答した。

「はい」

声が聞こえていないはずはないが、ドアの向こうからはしばらく何の反応もなかった。
五郎は、ドアの向こうにいる美奈子がどうしてここにやってきたのかはっきり分かっていた。

「入りなさい」

五郎が低く抑えた声で誘うと、ようやく部屋のドアが開いた。

「どうしたんだい」

「お義父さん…」

下半身に布団をかけた状態で、寝がけに読んでいた本を閉じた五郎は、メガネを外して眉間を揉んだ。
美奈子は、スリップ1枚の姿で部屋に入ってきた。

「美奈子さん、こんなところに来ていいのかな?あなたが嫌だと言うからもう止めようということになったんじゃないか」

「…私、でも、もう…」

涙声で訴える美奈子が求めているものが、五郎には手にとるようにわかった。
しかし完全に堕としきって自分のものにするために、五郎はあえて引いた姿勢を見せているのだった。

 

 

美奈子は、五郎の息子である弘樹の妻で、今は3人で同居している。
息子にはもったいないほど若く美しい女で、内心はどうあれ夫の父である五郎との同居も快く受け入れてくれる気立ての良さがある。

まだ50代の若い父親とどうしても同居したいと言い出したのは弘樹の方で、それは弘樹の母親、つまり五郎の妻が病気で亡くなったことが原因だった。
妻の看病のために大手企業を早期退職した五郎は、会社員時代の貯蓄も十分で、若い頃に始めたいくばくかの投資も実を結んでいたため生活には余裕がある。
正直若い夫婦の邪魔をしたくもなければ、ひとりで自由な時間を過ごしたい気持ちもあった。
しかし、渋る自分を強い勢いで説得してくれた息子の一本気な優しさに亡き妻と似たところを感じて五郎は折れたのだ。

同居を始めてからは、息子の妻である美奈子がわずらわしく感じないよう、五郎は普段から夫婦にあまり干渉しないようにしていた。
美奈子もそうして一定の距離を保って接する五郎に直接感謝を言う訳ではないが、息苦しさを避けられない配偶者の親との同居でも割合朗らかに機嫌よく接してくれている。

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