何もしたくない日の出来事

・作

 山田健也は息子と共にいつもとは違う公園に遊びに来ていた。そこで出会った野口千波親子の家でお昼を食べる事になる。「何もしたくないけど、ムラムラする事ってありませんか?」と誘われ、気だるい気分にふさわしいじっくり愛撫するセックスで快感を高めていく。

「何もしたくない日ってないですか?」
 野口千波が砂場を眺めながら言った。

 山田健也は幼稚園児の息子と、いつもとは違う公園に遊びに来ていた。息子はそこで遊んでいた同い年の男の子とすぐに仲良くなって、砂場で山を作っている。
 その子の母親である千波とベンチに座って、子供達が遊んでいるのを眺めている時だった。

「ありますね。仕事に行きたくない日なんか、このまま行かずに海でボーッとしたいって思いますね」
「うちの夫は、仕事が大好きみたいなんです」
「へえ。好きな仕事ができるっていいですね」
「私は家事と育児に追われて、もちろん子供は可愛いですけど、これでいいのかなって……」
 ミディアムヘアの毛先を触ってつぶやく。

「子供が生まれるまでは、ずっとロングヘアだったんです。自分で決めた事だけど、なんだか……」
 じっと見つめられ、誘われているんだろうかと健也は内心ドキドキした。

 30代前半くらいで、Tシャツとジーンズという服装だからこそ、バストの大きさが強調されている。ピンクのリップが塗られた唇に触れたくなって手を伸ばす。

「ママー」
 子供の声に、手を引っ込める。

「どうしたの?」
 千波が立ち上がって砂場に向かう。健也も首を振って砂場に行った。
「あらあら、砂だらけね。もうすぐお昼だし、帰りましょうか」
 砂を払っていると、千波の子供が健也の息子を指さして言った。
「務君もー」
「え? お家に来てほしいの?」
「うん」
 千波が健也を見た。

「えーと……お昼、食べていかれますか?」
「でも、お邪魔じゃ……」
「せっかくですし、にぎやかな方が楽しいですから」
「そうですか……それじゃ、お言葉に甘えて」

 お昼を食べて、子供達はDVDを見ている、遊び疲れと、お腹いっぱいになって眠そうだった。
「ちょっといいですか」
 呼ばれるまま、階段を上がって2階に行く。千波はガラス戸を開けてベランダに寝袋を敷いた。
「ここに横になってもらっていいですか」
「はあ……」
 期待と不安半々の気持ちで寝転ぶ。その横に千波が横たわった。
「あ、あの……」
 ベランダは狭いので体が密着している。

「こうやって、空と洗濯物を眺めながらボーッとするのが好きなんです」
 言われて、健也も上を見た。
 青空と、風で揺れる洗濯物を眺めていると気分がのんびりしてくる。

 ベランダの仕切りは腰の高さ辺りまであるので、外から見える事はないが、今日会ったばかりの男と密着して寝転んでいるのは良くないのではないか。

「あの……」
「何にもしたくないけど、ムラムラしてるって事、ないですか?」
 スッと千波が健也の股間に手を置いた。
「……あります」
 健也は体を起こした。

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