愛する人への寄る辺 (Page 3)
何事もなかったかのように武夫も京香も過ごしていると、昼を過ぎた頃に電話がかかってきて義父が出かけると言う。
「送りましょうか」
「じゃあ公民館までお願いしてもいいかな、武夫君」
義父は武夫の申し出を喜んだ。
「悪いねぇ」
「良いんですよ、僕も新聞が欲しくて」
「新聞?」
男二人で車に乗り込み、シートベルトを締めながら武夫は説明する。
「出張であちこちに行って、その地方の新聞を読むのが楽しくて、つい」
「変わってるなぁ、武夫君は」
わはは、と上機嫌に義父は笑う。そんな彼を乗せ、武夫の運転する車は件の公民館へと辿り着いた。
「帰りは電話をください、お迎えにあがりますよ」
「悪いね」
義父は寒さで鼻の頭を赤くしながら笑い、公民館へと入っていった。
武夫はそれを見送り、車を発進させる。
田畑を背後へ見送り、車の鼻先は峠道へと向かう。現在では新道ができたために、あまり利用されなくなった道だ。
細く曲がりくねった峠道の途中に、車を止められるスペースがある。山陰にあり落ち葉が大量に溜まっていることからも、殆ど使われていないと察することができた。
そんなスペースに武夫よりも先に駐車している車が一台ある。彼は減速して先に停まっていた車へ横付けした。
先着していた車の運転席には京香が座っている。
朝とは違い、薄くはあるがしっかりとメイクした彼女の顔は艶やかだ。
車から降り、武夫が待っていると同じように京香も降りてくる。
「キスはできませんね」
「どうして?」
「口紅がついてしまうから」
「そうね」
くすくすと義姉は笑い、彼の足元に膝を突いた。
「でも、こっちなら大丈夫でしょう?」
京香は武夫のズボンのチャックを下ろし、男根を剥き出しにする。冷たい風に急所を嬲られ、武夫は微かに顔をしかめた。
目を細め、京香はゆっくりと彼の肉棒を扱く。前後に手を動かし、自慰とは違ったもどかしさを感じる手技で彼女は武夫に快感をもたらす。もう片方の手も寒さに縮こまっている睾丸を優しく揉み解した。
じわりと彼女の体温が伝わり、武夫の男根へと血流が収束し始める。
太い血管を浮き上がらせ、ゆっくりと鎌首を擡げる武夫の肉棒はかなりのサイズだ。下手をすると女性の手首ほどもあるかもしれなかった。
彼にとって、この巨根はコンプレックスでもある。
妻には怖がられて性交渉を持てない。そのことは妻が初めての女性経験だった武夫にとって、トラウマとにすらなっていたのだ。性風俗に行くこともできず、一人で性欲を武夫は処理していた。
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