あなたしか映らない (Page 3)
どちらが正しいのか、スマホで検索してみる。
「……両方あるんだ」
二人で同じスマホの画面を覗き込み、気付けば肩を寄せ合っていた。
「波奈(はな)さん、近いっす」
「だめ?」
「だめじゃないっすけど……」
「コーヒーで興奮した?」
「それ、波奈さんの方じゃないっすか」
「どうかな」
そろりと女性――波奈の手が泰輔の太腿の上へ置かれる。
「俺が興奮してるとしたら、絶対に波奈さんのせいっすね」
「そうなんだ。嬉しい」
美しい瞳が泰輔の視界一杯に広がった。それが薄い瞼の下へ隠れ、彼も惜しみつつ瞼を閉じる。柔らかな感触が彼の唇を覆い、啄み、己以外の体液のぬめりを体感した。
「……」
「……」
少しだけ低い彼女の体温が離れると、安いインスタントコーヒーの味と香りだけが微かに泰輔の唇に残る。
「私もね、泰輔君に興奮した」
「コーヒーじゃなくて?」
「いじわる」
とすん、と軽く胸に頭突きをされ、泰輔は波奈の髪を梳く。指に絡まることなく、彼女の微かに明るい色をした髪が指先を滑っていった。
このような関係になった理由やキッカケを問われたら、きっと二人揃ってなんとなく、とか、自然に、とか答えるだろう。それぐらい自覚もなく、二人はいつの間にかこのような関係になっていたのだ。
時間が余っていて、暇だったからかもしれない。
不誠実な答えだな、と思いつつ泰輔は波奈の背中に手を回した。
体温や下着の凹凸を感じながら、じっくりと彼女の背を撫でていると、もどかしそうに波奈が身動ぎを始める。もじもじと内股を擦り合わせ、波奈は熱っぽく潤んだ目で泰輔を見た。
服の下へと手を滑り込ませ、ブラジャーのホックを器用に彼は片手で外す。すると支えを失った乳房が重力の手に引かれ、微かに落下する。それを受け止め、柔らかな感触を泰輔は堪能した。重くはないが、張りがあって適度に柔らかく形も抜群だ。
柔らかさと張りを楽しみ、泰輔は次に固く窄まった乳房の頂点を弄ぶ。指先でこね回し、弾いたり柔肉に埋めたりとやりたい放題だ。
一方で波奈の方も敏感な部分を刺激され、頬を朱に染めている。息遣いも荒くなり、美しく煌めいていた瞳も淫欲に濁り出していた。
「裸になって、くっつきたい」
そんなことを言い、すんすんと鼻先を動かして波奈は泰輔の首筋を嗅ぐ。
「だめっすよ。仕事中なんだから」
「体、熱いの」
「着たままっていうのも、いいもんすよ」
それに、と泰輔は彼女の手を自分の股間へと持っていく。
「こっちも我慢しきれないんすよ」
「どうしようかな。いじわるされちゃったし」
軽やかなタッチで股間を弄ばれ、泰輔のものがズボンの中でさらに膨張する。布地に押さえつけられて痛いぐらいだ。
「今日は、口でしてほしい気分なんすけど」
「どうしようかな」
「波奈さんの口がいいんすよ」
「……しょうがないなぁ」
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