不毛な恋をしている (Page 3)

　動かずになじむのを待つ。
「ねえ、ただ待ってるなら触って」
　胸をつかんでゆっくり揉む。
　春乃の胸はもう少し大きいのになと残念な気持ちになった。

　そろそろいいかと腰を動かし始める。
「もっと触って、恭一さん」
　ハッとして夏乃を見下ろす。
　してやったりの表情に、しかめ面で返した。

「嫌がらせかよ」
「ただでさえ不毛な関係なんだから、お互いなりきってもいいんじゃない？」
「……そうだな、春乃さん」
　自分が今挿入しているのは春乃……そう想像してゆるゆると腰を動かす。
　いつものようにガツガツするのではなく、反応を見ながら突く場所を変える。

「あっ」
　夏乃が声を上げた。
　ここか、と反応があった場所をこね回す。
「いい……ああ、恭一さん」
　夏乃の反応もいつもより良かった。恭一に抱かれていると想像しているのだろう。

　腰を打ち付けると、あふれ出たローションがパチュパチュと水音を立てた。
「あう、恭一さ、ああっ」
「くっ、春乃さんっ」
　最奥に打ち付けて精液を放つ。少し遅れて、夏乃が体を痙攣させて絶頂した。

　賢者タイムに入った恭二は、どうしようもなく不毛だなとあきらめたように目を閉じた。

（了）