箱詰めの天国 (Page 5)

　どちらからともなく、再び抱き合い、口付けを交わす。

　男は積極的に女の体を愛撫する。女は二人分の体液が混ざりあったものを使って、硬さを失いかけている男根を扱いた。
　言葉をなくし、二人は番の獣のように互いを貪る。

　ぐっと男が力を入れ、女の腰を持ち上げた。その持ち上げられた空間へ彼の怒張が立ち上がる。
「あぅっ」
　膣口を掠めた、その肉杭の熱さに女は歓喜の声を上げた。

　がっしりと掴んだ腰を男は静かに、自らの剛直に狙いを定めて下ろしていく。肉棒の先端が肉の穴をこじ開ける感触があり、少々狭い入り口を突破する。みっちりと肉が男根を包み込むが、それは侵入を拒むものではない。奥へ、奥へと導く蠕動は雄の快感を増幅し、腰を砕けそうにさせた。

　一方で女は受け入れた怒張が膣壁を押し広げ、肉をこそぐ感触、その全てを快感として受容している。まだ一番奥に達してもいないのに、快感で視界の端がチカチカと瞬いた。
「あっ、あぁぁ、ひっ、うぁっん、んぅ」

　最初のどこか遠慮がちな挿入が終わると、男はガツガツと女を突き上げる。入り口から子宮まで余すところなく男の肉棒が蹂躙し、下から突き上げた。

　男の手によって抱き寄せられ、女はすっかり彼に体を預けてしまう。
　膣内からの快楽だけでなく、汗ばんだ肌が触れ合い、体温を感じるだけでさらに二人は感度が増していた。もはや吐息が届くだけで心地良い。

　そして、本能に彩られた交わり淫悦が意識の堤防を決壊させて終わる。

「ああ、イク、イッちゃう、一緒に、一緒にイきたいのに」
　女は男の背へ爪を立て、必死に達しないように堪えるが、絶頂へ押し上げられ抵抗できないと悟ると、男の耳へ唇を寄せた。

「中に出して、お願い」
　甘い蜜のような、それでいて強烈な毒であるような、蠱惑的な声で女は囁く。

「おっ、おおおっ」
　それが呼び水となり、男の剛直の先端が一回り大きくなる。女の膣肉を押し退け、子宮口へ先端をぴったりと密着させて男は二度目の射精を行う。一滴たりとも零さぬように、男は肉杭を女の子宮口へ突き立てた。
「あああぁぁぁっ」
　射精の感触に切羽詰まった声で女が絶頂に嘶く。

　二人で殆ど同時に達し、強すぎる快感の奔流に堪える。
　荒い息をつき、二人はしばらくお互いを支え合うように抱き合っていた。