今は獣のままで (Page 6)
「……っ!」
子宮に叩きつけるような射精に女性が達した。淫肉が激しく蠢動し、一滴たりとも精液を零すまいと段田を締め付ける。
命を絞り出すような長い射精を終え、段田は固さを失いつつある男根を女性の中から引き抜く。汗をかいた体に冷たい夜気がじわじわと染み込んでくる感覚があった。
女性は二人掛けのアウトドアチェアの上で大きく足を開いた格好のまま、ぐったりと夜空を仰いでいる。
恍惚とした表情で焚き火の火に照らされた女性の首元には、段田が絞めた指の跡がはっきりと残っていた。その跡は彼女を人間社会に繋ぎ止める首輪のようでもあった。
人里離れた野山に人であることを一時だけ忘れる。
夜が明ければ、また人に戻り、家路を辿ることになるだろう。
だから夜明けまでは、獣のままでいよう。
段田は、そんな思考すら忘れるため、絶頂の余韻に浸っている女性に再び覆い被さるのだった。
(了)
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