肉食獣には敵わない (Page 2)
「何あれ、すき焼きを汚いものみたいに見て。焼き肉大好きの私なんて、おぞましい人間だと思ってるんじゃないの?」
「悪かったよ、俺も知らなかったんだ」
夫婦の寝室で文句を言うむぎに、稜真が謝った。
「稜真さんが悪いんじゃないんだから謝らなくていいわよ」
「来週、俺は出張だけど大丈夫そうか?」
「なんとか頑張るわ。でも悪いと思ってるなら今夜はサービスしてくれる?」
「喜んで」
芝居がかった手つきで稜真がむぎのパジャマを脱がせていく。おそろいで買ったチェックのパジャマをベッドの端に置き、お互いにパンツだけになる。
ベッドに寝かされ、紫色の小さな布に指をかけられて下ろされていく。膝を曲げて足を広げられ、稜真が顔を埋めた。
秘部を舐められて、むぎは目をとろんとさせた。
「あっそこ、いい……っ」
指がぬるりと入ってくる。
「んあっあう」
小さな突起を舌でこねくり回されながら指で内部を探られる。腰が震えて、下半身がとろけそうだった。
「舐められるの、好き……」
ついつい、腰を突き出してしまう。
「ん……そろそろ大丈夫か」
顔を離し、稜真がパンツを脱いだ。モノを押し当て、少しずつ挿入していく。
「あん……んん、ああ」
根本まで埋めると、最初は小刻みに、次第にストロークを長くして中を擦っていく。抜き差しされる感覚がたまらなくて、むぎは困ったように眉根を寄せた。
「いいっあ、あん、あん」
むぎは稜真に抱きついた。揺さぶられるたびに敏感な胸の先が擦れて高まっていく。
「ああっ、ああ!」
中に広がる感覚にうっとりしながら、もっと欲しいと締めつけるのだった。
*****
柊也が玄関のドアを開けると、肉を焼く匂いがした。
稜真は昨日から出張に行っている。となると犯人は明確だった。
リビングに入ると、むぎがホットプレートで肉を焼いていた。風呂にはもう入ったらしく、パジャマ姿だった。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「遅かったわね。残業?」
「ああ」
むぎが焼き肉を食べているのを、柊也は立ったまま見つめた。
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