肉食獣には敵わない (Page 5)
むぎがするっと下着ごと下を脱いだ。
暖かくぬめった場所に入っていくのに、自分のモノが食われていく錯覚をおぼえた。
「はあ……いいわ、大きい……」
むぎが微笑む。右足を上げ、洗面台に足をついて体を揺すり始めた。
「うわっ、ちょ、激し……」
「柊也さんも動いて。ほら、下から突くのよ」
負けてばかりはいられないと、足に力を入れて下から突く。
「いいわ、来てるっ。ああん、えぐられるぅ」
「くううっ」
「ああっ」
精液を放ち、柊也はガクンと座り込んだ。その前でむぎが腰に手を当てて仁王立ちする。内股は濡れて光っているが、まだまだ物足りなさそうに土手がパクパクうごめいていた。
「まだよ。もっと仲良くならないと」
「もういいだろ」
「やっぱり野菜だけだと持久力ないのかしら? 稜真さんならできるのに」
カチンときて、柊也は気合いで立ち上がった。
「やってやるよ」
夫婦の寝室に移動して、再びつながる。
そこで柊也は文字通り精を絞り取られた。
「はあ……」
柊也は盛大に溜め息をついた。
兄に秘密ができてしまった。これからも兄がいない時は相手をさせられそうだった。
横では満足げな表情でむぎが眠っている。
肉の油で唇はてらてら光っていた。
柊也は長い時間唇を見つめた。そして、むぎが起きないようにそうっと顔を近づけて唇を重ね、舌をほんの少し差し入れた。
それは禁断の甘美な味がした。
(了)
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