散歩には秘密がつきもの (Page 7)

 深く繋がっているのは、お互いの性器だけ。
 それにも関わらず、自他の区分が曖昧に崩れていくような、そんな肉悦だけが全てのようになっていく。

 だが、それは短い時間のこと。
 限界はどちらが先に迎えたのか。

 あるいは同時だったのか。

「ああぁぁぁっ」
 尾を引く高い声が富田の喉から迸る。
 腰の奥で熱が破裂した感覚があり、成竹は腰を限界まで突き出していた。
 射精した快感と、最奥で射精された快感。
 他人の快感すらも自己のものと入り混じり、二人は同一の存在であるかのように抱き合い、果てた。

 しばらくすると、冷たい風に吹かれていることを成竹は不意に自覚する。
 腰に絡みついている富田の足を外し、痛む足を庇いながら東屋のベンチに腰を下ろす。力を失った彼の陰茎は股の間でたっぷりと愛液に塗れ、先端から白濁液が糸を引いていた。

 やれやれと薄く汗をかいた額を拭い、成竹は股間のものを仕舞い込む。次いで地面の上でぐったりしている富田に手を貸してやり、服を整えて土埃を払ってやった。

「はぁ、凄ぉく良かったです」
「そいつはどうも」
 満足した様子の富田に笑い、成竹は痛む足をさりげなく撫でた。そして、一回りも歳が違う彼女に付き合える時間も、そろそろ終わりかもしれないと冬枯れの景色を見て考える。
「痛みますか?」
 目敏く足を擦っていた成竹に気付き、富田が問う。
「大丈夫ですよ。また、うちに来てください。粘り強くやれば必ずよくなります」
「そりゃあ、大変だ」

「根気強くいきましょう」
「治る頃にはもっとジジイになってるな、これは」

「この次こそは――」
「え?」
「何でもないです。それより、次はどこに行きましょう」
 次があるのかと、成竹は苦笑するしかない。
 こんなおっさんに付き合って何が楽しいんだか、と彼は内心で苦笑し、次の行き先を告げた。
「整骨院にお邪魔するよ。足が痛くて仕方ない」

(了)

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