底辺の恋

・作

愛彩(あい)はホストの凰喜(おうき)にのめり込んで貢いでいた。ところが、凰喜がホストを辞めなければならない事件が起きてしまう。抜け殻のようになった凰喜を放っておけず同棲を始めるが、生活が苦しくなってきて愛彩は凰喜に言われるまま体を売り始める。

赤黒い男根が出入りするたびに、白い太ももがタプタプ揺れる。
「はううっ、お、奥まで、来てるぅっ」
 愛彩(あい)が嬌声を上げるのを、凰喜が黙って見ていた。

「ふんっふんっ」
 鼻息荒く男が突き上げる。
 男は愛彩の膝裏に手を入れて持ち上げている。M字開脚させられて背後から突かれているため、結合部が丸見えだった。
 この男もかと愛彩は内心げんなりしていた。

 最初こそ恥ずかしがったり隠そうとしたりするが、自分より顔のいい男が自分の女の体を差し出して、なすすべもなく見ているという状況にオスとしての自信を取り戻すらしい。最後には凰喜に見せつけるようにして抱く男がほとんどだった。
 古い一軒家の一階の六畳間。けば立った畳の上に布団を敷いた場所が仕事場だった。
 レースのカーテン越しの日差しが肌に模様を落とす。
 
「あぐうっうあっ」
 ローションをたっぷり垂らしたために陰部がぬらぬら光っている。激しくこすれ合う結合部が泡立ち、肉同士がぶつかり合う。
「んううっ……」
 愛彩の腰が震え、男が達した。

「なかなか良かったよ」
 男がモノを抜いて使用済みコンドームをゴミ箱に投げ捨てる。そして一万円札を布団の上にばらまいた。裸でうずくまったままの白い背中に札が貼り付く。

 男が帰っていき、凰喜は愛彩の側で膝をついた。
「お清めセックスするぞ」 
「うんっ。んあああ……」
 男に広げられた膣は簡単に男根を飲み込んだ。
 凰喜に抱かれるのが一番気持ちいい。

 愛彩は30歳になるまで平凡に生きてきた。容姿も体型も平凡でこれといった才能もない。黒髪を後ろでひとつにまとめ、地味な服装でいる愛彩に関心を持つ者はいなかった。工場で事務作業を繰り返すだけの毎日がこれからも続くのだと思っていた。

 ところが、会社の忘年会で、しこたまに酔った同僚に連れ込まれて入ったホストクラブ。そこで凰喜と出会った。
 茶髪できりっとした目元が印象的なイケメンにお姫様扱いされて、愛彩はのぼせ上がった。だが、派遣社員でボーナスもない愛彩にはホストクラブに通うお金がない。
 給料が入ったら、生活できるぎりぎりの額だけ残してつぎ込んだ。一ヵ月に一度、凰喜に会える日だけを楽しみにしていた。

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