小さくても好きになって (Page 3)
明はゆっくり腰を進めた。
「あ……」
女性の中はこんなに温かかったのかと驚く。ペニスサックはぶ厚いため、どうしても直接的な刺激は少なくなる。
「大丈夫ですか?」
「はい。あの……その、根本まで入ってるんですか?」
「……はい」
ほしのが深く息をついた。
「痛くない……こんな事、あるんですね」
けなされているんだろうかと思ったが、ほしのが微笑んでいるのを見てホッとする。
明は腰を動かして突き込みを始めた。
「く……う……」
中がうねって絡みついてくる。これほど強く締め付けられるのは初めてで、明は力を入れて射精をこらえた。が、我慢できずにイッてしまった。
「あううっ」
ほしのもイッたようでホッとする。
「……実は私、男の人のモノを根本まで入れられたの初めてなんです」
隣り合って横たわったままほしのが言った。
「中が小さいらしくて、痛くなっちゃうんです。それが原因で別れる事がほとんどで……合う人がいるなんて思いませんでした」
「俺も合う人は初めてです。こんな事あるんですね」
ほしのの身長は160センチくらい、小柄という訳でもない。自分のように体の一部分が小さい人がいると思いつかなかった事が不思議なくらいだった。
最後と決めた時に出会うなんて、彼女はきっと運命の人だと明は内心浮足立った。
目が覚めたら朝だった。
いつもは短小を見られないように寝ずにいるのだが、安心したのかぐっすり寝入ってしまったようだった。
「ほしのさん?」
ほしのの姿はなかった。探したが、どこにもいなかった。カバンもないので、先に帰ったようだった。
「そんな……」
メッセージを送ってみたが、既読がつかない。
せっかく相性のいい人と巡り合ったのに、これっきりだったらどうしようと焦る。
「ん?」
ベッドの脇に何かが落ちていた。
「腕時計? でもこれって」
見覚えのあるマークが文字盤に入っている。
創業四十周年で記念に社員に配られた腕時計だった。
「うちの社員だったのか……」
*****
それから数日が過ぎたが、いくらメッセージを送っても返信はなかった。
あきらめきれず、明はほしのを探す事にした。
「腕時計を落としていませんか?」
明は昼休みなどに他の部署に行って聞き回った。物が良く、デザインも悪くないのでつけている社員も多い。実際、ほしのが忘れていった腕時計もつけクセがついていて穴が広がっていた。
「落とし物なら総務に届ければ?」
経理課に聞きに行って、顔見知りの女性社員に言われた。が、明は首を横に振った。
「自分で見つけたいんだ。つけクセがついているから、はめれば分かると思うんだけど」
「へえ、なんかガラスの靴みたいね。王子様はこの腕時計にぴったりの女性をお探しであるーってね」
「王子って柄じゃないけどな」
「そうね、王子にしてはごついわよね」
軽口を叩きながらも、ここにもいないかと内心落ち込む。
コレで悩んでいる人もいるでしょうが
本当に良い話ですね
ポン君 さん 2024年10月15日