小さくても好きになって (Page 4)

 自分の部署に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた。
「あのっ」
 振り向くと、黒縁メガネをかけた女性が立っていた。地味が服を着ているような印象の女性だった。
「あの、腕時計なくしちゃって。私のかもしれないので、はめてみて、いいですか」
「……うん」
 何となく、予感がした。
 受け取ろうとした女性の手首を取って、明は腕時計をはめた。
「あら、ぴったり」
 見ていた女性社員が驚いた声を上げる。
「……君だったのか」

 会社が終わってからカフェで待ち合わせた。
 顔は知っていたが印象が違いすぎて分からなかった。ほしのという名前も偽名だと、汐川穂乃果は申し訳なさそうに言った。

「実は前から田名部さんの事、好きだったんです」
「え……」
「でも田名部さんは社内恋愛しないって聞いてて」
「あ、うん。関係を持って、短小だって言いふらされたらこの会社にはいられなくなるから」
「私、言いふらしたりしません。言ったら、私のも、その、小さいって分かっちゃうから」
「うん」

「あきらめきれなくて、マッチングアプリで似たような人を探してたんです。でもまさか本人が来るなんて思ってなくて。気づかれないようにウィッグつけたり服を変えたりしたんです」
「確かに全然気づきませんでした」
「あきれますよね、こんなの」
「いえ。俺も小さい事で散々悩んできましたから」

 明はコーヒーを一口飲んで背筋を正した。
「汐川さん、俺と付き合ってくれませんか。体から始まりましたけど、もっとあなたを知っていきたい」
 穂乃果が泣きそうになって頷いた。
「……はい」
 
「早速で引くかもしれませんが、ホテルに行きませんか」
 穂乃果が恥ずかしそうに誘ってきた。
「本当の田名部さんを明るい所で見てみたいんです」

 明るい場所で自分のペニスを女性に見せるのは初体験の時以来だった。
 ベッドに腰かけている穂乃果の前で、明はスラックスと下着を脱いだ。緊張のあまり、アソコも縮こまっているのを感じる。手で隠したいのを必死に我慢しながら耐えた。
「これが、田名部さんの……」
 穂乃果が立ち上がって、明の前で膝をついた。そして、ペニスの先をペロッと舐める。

「汐川さん!?」
 驚きのあまり声が上擦った。
「任せて下さい」
 口に含まれて、明はうめいた。舌がうねうねと蠢いて裏スジをくすぐる。
 初めてのフェラは刺激が強すぎた。頭がクラクラして、腰が砕けそうになる。
 先を強く吸われたらもう駄目だった。

「ううっ?」
「ああっす、すみません」
 口の中に出してしまい、明はあわててティッシュを探した。
「ごくんっ」
「え」
 穂乃果が小さく口を開けて息をついている。
「飲んだんですか?」
「つい、くせで」
 言ってから、穂乃果が後ろめたそうに目を伏せた。
「根本まで入れられないなら口でしろって言われる事が多くて……」
「……つらかったでしょうね」

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