夜の手ほどき (Page 3)

「うん、いい……触って」
 誘導されて局部に手を添える。手を重ねられて、指を動かす。
「中をいじる時は力任せにしないで繊細に探って。反応を見て、感じる所を探るの」
 英子の指の動きに従って中を探る。
「んっはあっ」
 つぶつぶのある部分を撫でると、英子の腰が揺れた。オナニーの手伝いをしているようで、俊之の心拍数も上がって下半身に熱が集まり始めた。

「んん……んうっ」
 ぐいっと指を抜かれる。
「指でイクのもいいけど、俊之のでイキたい……」
 たまらず、俊之はモノを押し当てた。奥まで入れると、腰を掴まれた。
「なじむまで待って。すぐに動かされるときついの」
「分かった」
 突きたいのを我慢して、俊之は待った。その間に胸や腕をさすって愛撫する。

「うん……いいと思う。ゆっくり動かし始めて」
 ゆっくりと、徐々に動きを速めていく。
「ああ、いい……っ。そここすられるの、好き……っ」
 さっきとは全然違う反応に引きずられて、俊之も興奮が高まっていく。
「あああっ……」
 ほぼ同時に絶頂を迎えて、ぐったりと力を抜く。体を重ねたままでいると、英子がささやいた。
「今日の手ほどきはここまでだけど、俊之が望むならいつでも何回でもしていいわ」
「……それはできない」
 体を離すと、英子がすがってきた。 

「私だったらいきなり出ていったりしない。もっとちゃんと話し合って、いい夫婦関係を築けると思う」
「ごめん。小百合には俺がいないと、と思うから。小百合は英子みたいに強くないんだ、一人では生きていけない。一生守ってやりたいんだ」
「どうしても、駄目なの」
「ああ」

「……あーあ」
 英子が仰向けにどさりと横たわった。
「あわよくば寝取ってやろうと思ってたのに」
「そんな事思ってたのか」
「あのね、何の打算もなく既婚者と関係持つ訳ないでしょ。普通に考えて、友達のために体を差し出すなんてしないわよ」
「そりゃそうだけど」
「ずっと……好きだったのよ」
 過去形に、俊之は寂しさを感じた。

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