夜の手ほどき (Page 4)

「でも、小百合は俊之が思ってるほど、か弱い女じゃないと思う。意外としたたかな女よ」
「そうかな」
「ま、何を言っても、負け犬の遠吠えにしかならないわね」
 英子が起き上がってバスローブを身に着けた。
「手ほどきはためになったよ。でも最初にした時、すごく濡れてたから俺のやり方は間違ってなかったって思ったんだ」
「普通だったら、あんなに濡れないわ。ずっと想っていた男に抱かれるのよ?」
 英子は寂し気に笑った。
「嬉し涙くらい流すわよ」

*****

「ごめんなさい」
 久しぶりに帰ってきた小百合はしょげかえっていた。ゆるふわの髪にカーディガン、ふわりとしたスカートと英子とは対照的だった。それは大学時代からで、俊之は小百合の可憐さに惹かれたのだった。

「英子に怒られた。話し合いもせずに突っ走りすぎだって」
「いや、俺も気づいてやれなくてごめん。離婚を考えるくらい思いつめてたんだよな」
「あの、それは……」
「俺も反省したんだ。だからその……悪いとは思ったけど、風俗で練習してきたんだ。浮気じゃないから。ただ、小百合に悦んでほしくて」
 英子と関係を持った事は墓場まで持っていくべき秘密だ。悟られぬよう、俊之はまくしたてた。
「私に責める権利なんてない……ねえ、あなた」
 小百合が恥ずかしそうに微笑んだ。
「練習の成果、見せてくれる?」

 割れ目に沿って指を滑らせる。人差し指の第一関節までゆるく出し入れしていると、次第にぬめりが増してきた。指を差し入れて、反応を見ながら中を探る。
「あう、いい……っ」
 頬を上気させて、とろんととろけた表情で小百合が嬌声を上げる。
 こんな顔、初めて見たと俊之は驚きと共に誇らしい気持ちになった。妻を気持ちよくさせている、こんな顔をさせられるのは俺だけだと自信もわいてくる。

「挿れるぞ」
「うん……」
 中はこれまでにないほど締めつけてきた。求められている、と嬉しくなって、これまでにないほどの大量の精を小百合の中に吐き出した。

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