日陰の女 (Page 3)
「駄目よ」
「月曜の午前中は会議で来ないんですよね?」
「出かけたら……帰りたくなくなりそうだから」
いつ男が来てもいいように必要な物はすべて宅配ですませ、じっと部屋で待っている。出かけないため、焼ける事のない肌はこんなにも白い。
「そいつの事……」
好きなのだろう、と思った。
でも月曜の午前中だけでも関係を持っているという事はまだ望みがある。
栄一は内股を撫でる手を足の付け根に移動させた。
「ん……」
割れ目の中に指を潜り込ませる。まだローションと愛液が残っている膣は簡単に指を飲み込む。ヌルヌル泳ぐように指を動かして桃子が感じる所をさすっていく。
同時に胸に吸いついてわざと水音を立てながら固くなっている乳首を舌で転がす。
「はあん……」
モノをゆるく握られ、袋をやわやわ揉まれる。
このまま、ゆったりした快楽をむさぼりながらダラダラ過ごしたい。
「もうすぐ時間ね」
「うっ」
親指の腹で先をぐりっとこすられる。
桃香は体を起こすと、栄一のお腹をまたいだ。
「ああん……」
素早くコンドームをつけて、腰を沈めて騎乗位で挿入していく。根本まで飲み込むと、リズミカルに腰を回し始めた。
絞り取られる、と栄一は奥歯を噛み締めた。
我慢すれば終わらず、時間を引きのばせる。もっと長く一緒にいたい。そう思っても、奥へ奥へとうねる動きに耐えきれず、栄一は精液を放出した。
「うんんっ……」
桃子がぶるるっと体を震わせた。腰の動きが次第に緩慢になっていく。
「ふう……」
深く息をついた後、桃香が手をついて体を持ち上げた。ぬらぬら光る肉棒が抜き出される。きつく締められ、コンドームが中で取れて残った。
「たくさん出たわね」
コンドームを抜いて桃香が目を細める。
「あの……」
「今日はもうおしまい。また月曜にね」
「……はい」
月曜の午前中以外でも、担当エリアなので宅配はする。
桃香の部屋のチャイムを押そうとしたら、ドアが開いた。
「うわっ」
驚いて声を上げると、相手も驚いたような顔をした。
初老の男で、玄関まで出てきていた桃香がハッと手を口に当てた。
「あんたが……」
思わずつぶやくと、桃香が外に出てきた。
「宅配ですよね、ありがとうございます」
「また来る」
男が顔を隠すように足早に去っていった。
読みやすくて良かった。ハッピーエンドで読後感も爽やか
もちち さん 2023年4月26日