日陰の女 (Page 2)
次の週の月曜の朝、栄一は休みを取って桃香の家の前に立った。
からかわれているのかもしれない、けれどもチャンスがあるなら関係を持ちたい。
出てきた桃香は微笑んでドアを大きく開けた。
「どうぞ、入って」
中に入ると、物が少なくてガランとしていた。何となく、香水の匂いが充満していそうな印象だったが、無臭に近かった。入ってすぐが台所で、右手にトイレとお風呂、左に6畳ほどの和室がある。和室には布団が敷かれていた。
「さ、しましょうか」
桃香がワンピースの後ろのホックを下げ、落とした。ワンピースが輪となって足元にふわりと落ちる。
桃香はワンピースの下に何も着ていなかった。
たっぷりと重そうな乳房、わずかに肉がついているがくびれた腰、揉み応えがありそうなお尻とむっちりした太股。
抜けるような白い肌なので、赤茶色の乳首と整えられた黒い陰毛が浮かび上がっている。
栄一はたまらず、女体にむしゃぶりついた。
女体は柔らかく、しっとりと手に吸いついてきた。少し触っただけでたまらなくなり、栄一は上ずった声で訊いた。
「あの、挿入していいですか」
「その前に、これをつけて」
コンドームを渡され、興奮しすぎてかすかに震える指で装着する。桃香がその上からローションをたっぷり垂らした。細い指で塗り広げる。触れるか触れないかくらいのフェザータッチにますますそそり立ち、栄一は桃香を布団に横たえた。
「い、入れます」
「どうぞ……」
栄一は中に押し入った。
たっぷりのローションが圧力で結合部にたまって布団へと伝っていく。
熱さと締め付けに腰がとろけそうだった。じっとしていても射精しそうで、栄一はゆっくり腰を動かした。
「ああ……」
桃香が吐息をもらして体をくねらせた。自然と腰の動きが速くなり、あっという間に栄一は果てた。
あまりの早さにあきれられたらどうしようと不安になる。
「1回でいいの?」
「……いえっしたいです」
1度達して余裕ができたために、今度はじっくり楽しむ事ができた。
コンドームをつけ直して再び挿入する。指が沈みそうに柔らかい乳房を揉みながら中の心地良さを堪能する。
「あの……今更ですけど、恋人がいるのに俺とこんな事していいんですか」
「恋人じゃないわ」
「私、愛人なの」
「愛……人?」
「そう。ここに囲われてるの」
「でも愛人って、高級マンションを買ってもらって住んでるイメージが……」
「この程度でいいって思われたんでしょうね。夫を亡くしてひとりでは生きていけない女なんて」
そうつぶやいて、桃香が微笑んだ。
「ピルは飲んでいるけど、コンドームは必ずつけるの。万が一でも子供ができたら困るものね」
「はあ……」
「こんな女でもいいと言うなら、私と関係を続ける?」
栄一は迷う事なく頷いた。
栄一が愛人の愛人になって数週間がたった。
「たまには外に出かけませんか?」
布団の上で桃香の内股を撫でながら栄一は言った。
読みやすくて良かった。ハッピーエンドで読後感も爽やか
もちち さん 2023年4月26日