引き際 (Page 4)

「まず、チンコの先を舐めながら手で扱いて」
　初めて金を受け取った時のようにおずおずと手を伸ばし、亜希子は孝也の男根を握る。ゆっくりと手が前後し、竿を刺激した。それから彼女は目を閉じて舌先を伸ばし、鈴口の辺りを棒アイスのように舐め始める。
「片手で玉も優しく揉んでください」
　追加の指示を受け、亜希子は睾丸を恐る恐るといった手付きで揉みしだく。
　しばらく抜いていないという言葉に偽りがない。久方ぶり性的な刺激に孝也のイチモツはむくむくと大きくなって、先端から先走りが出始めた。

「ある程度大きくなったら、今度は咥えて」
　閉じていた目を開け、亜希子が問うようなまなざしで孝也を見上げる。
　冷たい視線で内心の興奮を隠し、彼は腰を軽く突き出した。血が集まった肉棒の先端が亜希子の唇に触れ、痺れるような快感が腰を走る。そのまましばらく柔らかな唇の感触を楽しみ、孝也は彼女の頭を掴む。

「口を開けて」
「んぁ」
「歯を立てないで」

　女の口の中はねっとりと暖かい。唾液でぬめる口腔内は、舌のざらつき、口蓋の硬さ、喉奥の柔らかさ、それぞれが膣肉とは違った性悦を男根にもたらす。
　オナホールのように自分勝手に女の口を使い、孝也は自分本位の快感に浸る。

「うぷ、おぅ、ちゅぷ」
　口の端から唾液の糸を引き、亜希子は多少苦しそうに口淫奉仕を実行していた。彼女のそんな表情はどこか悩ましげで孝也の劣情を煽る。しかし、彼は意識してそれを抑え、ゆっくりと亜希子の口から勃起してひくついた肉棒を引き抜く。

「テーブルに手を突いて、尻こっちに向けて」
　熱に浮かされた顔のまま立ち上がり、亜希子は指示された通りの格好をする。
　煽情的に突き出された亜希子の尻を隠すジーンズや下着をずり下ろし、孝也は尻肉の間に肉棒を挟む。彼女の体温を楽しみ、微かに汗ばんだ尻の感触を堪能する。

　しかし、そうやって楽しむだけでは物足りない。

　孝也はむっちりした亜希子の尻肉を左右に大きく割って、挿入するべく一歩近づいた。ぴたりと出迎えるように陰唇が彼のイチモツへ口付ける。同じ唇と語が使われていながら、口唇とはまるで感触が異なる。男を飲み込み、悦ばせるための入り口は蜜を湛え、淫靡に侵入を誘っていた。