引き際 (Page 5)

　本能に従い、孝也は挿入する。
「あぁっ」
　先端を埋めただけで亜希子の口から嬌声が飛び出した。
　いくら今は人がいないといっても、ここは職場の休憩室。
　未だに残っていた一片の理性が彼に亜希子の口を塞がせる。片手で亜希子の腕を引っ張って背を反らせ、残った手で彼女の口に蓋をしたのだ。

　声を出せないための体勢だったが、結果として密着感を高め、より膣奥へと肉棒を突き込む形になる。みっちりと隙間なく淫肉が絡みつき、心地良い肉圧が肉棒全体を絞め上げた。
　挿入した男根をゆっくりと動かすと、逃がすまいと吸い付いてくる。肉感を味わいながら引き抜けば白く濁った愛蜜がたっぷりと肉棒に塗されていた。

「旦那さん以外のもの突っ込まれて感じてるんですか？」
　質問に対し、亜希子は頷く代わりに口を塞いでいる孝也の手を舐める。その仕草は従順な犬のようで、抑えていた彼の嗜虐心に今度こそ火を点けてしまう。

　残っていた理性が淫欲に焼かれ、本能のままに孝也は腰を打ち付ける。

　肉同士が打ち付けられる音が休憩室に響く。
　誰かに見られたら言い訳などできない状況だ。だが、孝也はそんなことなど頭の中からすっかりなくして、快感のために肉穴で男根を扱く。快感のためだけに女を使い、自分勝手に性感を高める。
　強く腰を打つと粘度の高い水音が肉を打つ音に混じり、彼の手指の間からは蕩けた女の呻きが零れた。

　いつ誰に見咎められるともしれない状況が、この上ない燃料として二人の肉欲を燃え上がらせる。一心不乱に肉のもたらす快感を貪り、一直線に二人で絶頂の頂を目指して駆け上がった。

　亜希子の肉壺は適度なキツさと、それを快感に変換できる愛液のぬめりで、いつまでも挿入していたくなる。おそらく孝也が激しく動かなくても脈動して肉槍を責め立てただろう。
　そんな所へイチモツを突っ込んで、しかも激しく動かしているのだからしばらく自慰もしていなかった孝也には強烈な射精感へ抗うこともできない。

「うぅぅ、ぐぅぅっ」
　歯を食いしばり、一秒でも亜希子の膣内を味わおうと、快感を長続きさせようと抵抗するが無意味だった。
　ぎゅっと一際強く膣が収縮し、亜希子が喉を反らして彼の指を甘噛みすると、それを合図にぷくっと鈴口が膨れる。
　反射的に孝也は亜希子の中から男根を脱出させた。
　そして、熟れた尻へと久方ぶりの射精を行う。発射の瞬間、視界が白く弾けて腰から背骨まで強い痺れが襲う。