恋の闇路 (Page 4) 六月某日 雨 「おはようございます」 「あ、おはようございます」 珍しく、育子は青いチェックのワンピースを着ていた。隣には夫と子供がいる。 「お出かけですか」 「ええ。雨が降ったのがちょっと残念ですけど」 「ママ、早く」 「はいはい」 会釈してすれ違う。 数歩歩いて、小暮は振り返った。 夢だろうが現実だろうが、どうでもいい。あの女が欲しい。 小暮は早足で近づき、青い傘に手を伸ばした。 (了) この作品が良かったら「いいね!」しよう 0 →いいね!した作品はこちらで確認できます 1 2 3 4
レビューを書く