酩酊関係 (Page 4)
「とりあえず、タオルで」
「オッケー。じゃあ、私もリクエストあるんだけど」
「なに? スカトロとか嫌だよ」
乾太がソファに腰を下ろすと、ぎしりとスプリングが軋んだ。
「私もそれ系の趣味はない」
彼は明楽の言葉を聞き流し、優しく彼女の手を取り背後に回した。そして、持ってきたタオルを使って丁寧に彼女の手首を拘束する。肌触りの良いタオルだったが、拘束される圧迫感は拭えない。
「このまま、触ってほしい」
「このままって、どういう意味?」
「脱がさないで。くすぐるみたいに、全部触って」
背中をすっかり乾太に預け、明楽は告げる。言葉の端にも体温が宿っているように、口にしただけで昂った。
応じる気があるのか、ないのか。彼は両腕で明楽を背後から抱きすくめる形になった。
「うぁっ」
期待外れかと思ったが、不意打ちの刺激に思わず明楽が声を上げてしまう。首筋を唇でなぞられたのだ。口付けではなく、唇の表面でリクエスト通りくすぐるように。少し乾燥した乾太の唇に首筋から耳の裏、頬まで愛撫され、窮屈に明楽は身動きする。
さらに彼は抱きすくめていた両腕を緩め、掌と指を使って服の上から明楽の脇腹や太腿の内側をくすぐった。性感帯をほんの少しだけ外したじれったい感覚に、明楽の性感はかえって鋭敏になっていく。
自分の昂ぶりを伝染させるように、明楽は後ろ手に拘束された手を蠢かした。
触れているのは、乾太の性器だ。ズボンの内側で確かに膨張しているそれを彼女は指先で引っ掻いた。あちこち悪戯をする猫のように引っ掻き、ついに男根の先端を探り当てる。
ちょうど尿道口がある辺りを不自由ながら刺激し続けると、次第に乾太のものがズボンの布地を押し上げていくのが分かった。
「はぅ」
内腿を強く握られ、またしても明楽は声を上げさせられてしまう。
その事実が妙な羞恥心と対抗心となって、明楽を次の行動に移らせた。たどたどしく乾太のズボンのチャックを下ろし、男根を外に引っ張り出したのである。
ゆっくりと両手を使って彼の勃起したものを扱く。すると、乾太の方も愛撫の仕方を変えた。
くすぐるような手付きはそのままに、積極的に明楽の性感帯に触れ始めたのだ。今まで焦らされていた分だけ、性感帯からの刺激は強烈だった。目の前が一瞬白み、衣服の下で体が燃えるような感覚に覆われる。
衣擦れや吐息まで性感を伴って、明楽の体を侵略した。
シャツとブラジャー越しに両の胸をくすぐられているだけだというのに、快楽が理性の器から溢れ出してしまいそうになる。
その快感を甘受しながらも明楽は血管を浮き上がらせ、先端から精液を滲ませる男根を不自由な手付きで扱き続けた。背後から項にかかる乾太の吐息が次第に荒くなっているのを感じる。
もどかしさと目の眩むような快感が混ざり合って明楽の背筋を痺れさせた。
大人の哀愁
癒やされました〜ありがとう!
どら さん 2022年10月11日