酩酊関係 (Page 5)
「あっ、イクっ」
小さく言葉にした途端に性感が堰を切ったように溢れ、原初的な快感が思考も感情も塗り潰した。そして、ぴくぴくと絶頂に体を震わせている明楽の手の中で乾太も達し、暖かな精液が勢いよく迸る。
「ごめん。汚した……」
ぎゅっと明楽を背後から抱き締め、耳元で乾太が囁く。明楽はその言葉にすら腰の奥が疼く感覚を得てしまった。
「いいよ」
彼の精液はシャツの袖だけでなく、パンツスーツの腰の部分から入り込み、ショーツに触れている。
「ねえ、私……、もっとしたいんだけど」
「まだ、リクエストがあるの?」
「ある。そっちだって、ちゃんと入れたいんじゃないの?」
「入れてってねだってみなよ」
「やだ。解いて、これ」
明楽がそう言うと、乾太は素直に手を縛っていたタオルを解いた。
二人は息を整えることもせず、ソファから立つ。
乾太が先にリビングを出て、そのあとに明楽が続く。寝室へ向かう彼の手を明楽は捕まえた。
「ねえ、このままお風呂に行こう」
「今更?」
「服着たままシャワー浴びたいの」
「傷むんじゃない?」
「いいの。服着たまま濡れて、しよう?」
「それは確かに元カレにはおねだりできないね」
「だから、乾太と。ね?」
「今度、こっちの趣味に付き合ってくれるならいいよ」
「痛いの嫌だよ」
「そっち系のプレイには興味ないんだよね」
「プレイとか言い出した」
「こっちはこれから明楽のプレイに付き合うんだけど?」
冗談を言い合いながら、二人は浴室へ向かう。普段と違うのは一人ではないこと。そして、脱衣所で全裸にならなかったことだ。
乾太が蛇口を捻ると、フックに掛けられたシャワーから勢いよくお湯が流れ出した。
高い位置に掛けられているシャワーの下へ行き、明楽は頭からお湯を被る。普段の入浴とは違い、一瞬だけ遅れてお湯が肌に触れた。衣類にお湯が染み込むまでのタイムラグだ。
そんな些細な違いに感心しつつ、じわじわとシャツが体に張り付いていく感触に明楽は息を荒くする。服を着たままシャワーを浴びるという日常との乖離。そして、体をうっすらと締め付ける感触は背徳的な悦びを感じてしまう。
ネイビーブルーのシャツはボディラインを露わにし、ブラジャーの模様が透けている。
その様子に乾太は射精したばかりの男性器がズボンを押し上げるのを感じていた。
大人の哀愁
癒やされました〜ありがとう!
どら さん 2022年10月11日