酩酊関係 (Page 7)
二人は体の内部から突き上げる溶岩のような快感と、外部から脳を揺らすような淫音にすっぽりと包まれ、今まで感じたことがない妖しげで、背徳的な、非日常を味わっていた。
「んぅ、あっ、あああああああ」
一際明楽の声が高くなり、きゅうと膣が収縮する。肉襞が射精を促し、精子を外へ逃がさぬようにと子宮に向かって蠢動した。
危うい所で乾太は男性器を引き抜き、お湯を弾く尻に射精する。
二度目の射精で勢いこそなかったが、特濃のものが発射された。あまりにも濃かったので、シャワーでも簡単に流れず、いつまでも明楽の尻を汚している。
理性を焦がす快感に体を震わせる二人は、シャワーの下で緩く抱擁を交わした。
自分のTシャツとジャージを着ている明楽の後ろ姿を眺めながら、乾太はベッドに腰を下ろした。
浴室での性交の後、二人はゆったりと湯船を堪能した。飲酒の後に長風呂は頂けないが、疲労感と解放感が強くリラックスしたかったのである。
しかし、長風呂と飲酒で喉が渇いた。
「ねえ」
「うん?」
「このあとどうする?」
「どうするって、なにが」
「飲み直す?」
「えぇ……」
「あと、甘いもの食べたいんだけど」
くるりと一回転して明楽が乾太の方を見る。
すっかり化粧も落ちてすっぴんになった彼女には、初めて会った学生の頃の面影があった。
「今、甘いものって砂糖ぐらいしかないけど」
「砂糖なんか舐めんわ。コンビニ行こ」
「いいの? その格好で」
「別に」
明楽はあっけらかんと笑う。
「コンビニでブラもついでに買ってくか」
「売ってんの?」
「ブラっていうか、カップついたキャミがあるはず」
「へぇ」
「あと、コンドームも買っとく?」
「……いいね」
乾太は苦笑してベッドから立ち上がる。
電灯を消し、二人は揃って寝室を出ていった。
「干からびないように気を付けないと」
「ん? なんか言った?」
「いや、なにも」
そのまま二人は冗談を言い合いながらマンションを出て、コンビニまで人気の絶えた夜の町を歩いた。
普段とは違う格好で。
いつもと違って、のんびりと。
しかし、変わらない友人と一緒に。
(了)
大人の哀愁
癒やされました〜ありがとう!
どら さん 2022年10月11日