レイプ集団お仕置き作戦 / オンナ絡みの揉め事解決屋3 (Page 8)

「撤収!」

叫んで俊一は、恐怖で「おもらし」をしているJD4人をそのままに、3階を後にしたのだった。
里美に命じて先陣を行かせ、邪魔をするヤツが出てきたら蹴散らしてもらおうとしたが、その思いは杞憂だった。

店を出る時に俊一は、カウンターでオドオドした表情をしていた店員に「上で5人のヤリチンが寝てるから、救急車でも呼んであげな」と残してサクラ嬢を担いだまま飛び出して行った。

そこには、里美同様にたまにアシストしてもらう運転係の山本がアルファードを待機させていて、俊一、里美、サクラ嬢をピックアップすると自動スライドでドアを閉めて、フルスロットルで逃走した。今回は、このカラオケ店への送迎とサクラ嬢の配達を依頼していたのだ。

この山本は俊一の米国時代の某スクールの同級生で、とにかく運転が上手かった。普段は、運転代行会社に所属していて酔っ払った客の車を自宅に届けていた。
その山本の運転で、俊一たち一行は指定された那須(栃木県)の音無家の別荘へと無事にサクラ嬢を届けた。
とりあえずは、一件落着だった。

そこには、依頼人の音無幹也氏と奥方、大シェフ、弁護士先生が待っていた。今後の段取りを話し合うのだろうが、俊一たちは、わざと素知らぬふりをして帰っていった。
山本は指示しなくても、高速を使わなかった。尾行車を常に注意しつつ里美を送り、俊一も都内近郊のビジネスホテルへ送ってもらった。

そこにはR34型スカイラインGT-Rを駐めてあったし、2~3日は身を潜めている事に決めていたのだ。

「今回も急な仕事で済まなかった。お互いに無事でなによりだ」

「いつもの事だろ。あんまり無理すんなよ」

俊一は「今週中にはギャラを振り込むから」と片手を上げてホテルに向けて踵を返した。
山本は、俊一がフロントへ着くのを見届けてからアルファードを発進させていた。

追記

雑居ビルに還ってみると、そこには鬼のような顔をした美也子がいた。
無事であるのは、不動産屋の榊から母の玲子を通して知ってはいたらしい。詳しい事は割愛するが、それから1週間は口を開いてくれなかったとだけ記しておこう。

サクラ嬢の方は大学を辞めさせられて、大シェフのツテでカナダへ留学させられたらしい。

(了)

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