女ルポライターの憂鬱 / オンナ絡みの揉め事解決屋<外伝> (Page 5)
復路は行きよりも速く!
こうしてインタビュアーとネンゴロになった俊一は、シャワーを使ったあとも2度、波子を抱いたのだった。最後の3回目は、彼女のリクエストで測位から後背位に挿入して背中に放ったのだった。
さて、復路は宇都宮(栃木県)までは極端に交通量が少ないのは周知の事実である。それに時刻も朝5時である。それをいい事に、俊一はタイヤの皮むきとステアリングとの相性を再びテストしてみた。
つまり、追い越し車線に陣取るトラックや軽自動車を右に左にハンドルを切っては追い越して、路面への“食いつき具合”を見ていったのである。
「あおり」だと勘違いして折って来るクルマや“疾り”にきているポルシェやフェラーリもいたが、ロートルとはいえ2600cc、ツインカム・ツインターボエンジンに鞭を振うと、結構イイ線で競っていった。俊一は一人悦に入り、「ニヤリ」としたのだが、その意味は波子には解る術はなかった。
「荒っぽい運転ですね。『性格が出る』って言うけど…」
「要所要所で、スピードも出さないと、かえって危ないんだよ」
俊一は多分、波子の連載はボツになるだろうと予想していた。それは、波子も感じていたのだった。
何せ唯一の見せ場が、“里美の瞬殺蹴り”なのだから。
ただ、波子もしたたかなオンナである事は間違いない。あの実力で賞を獲っているのだから「運」を持っているのだろう。
「まぁ、ボツになってもレスから脱出しただけ儲けモノだと思ってよ。いろんな意味で『たいした事のないオトコだった』って、いずれは発表してみて」
そうスカイライン改の車内で言われながらも「いつかは、外堀を取材できっちり埋めて、1篇の作品に仕上げてやる!」と、波子は闘志を燃やすのだった。
(了)
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