女教師の本性

・作

女教師・千和(ちわ)は、教え子と関係を持っていた。卒業した後では大手を振って交際しており、すでに過去のものとなっていたそのことで公長(きみなが)に脅迫され、体を嬲られることになるのだった。しかし、凌辱される中で千和は公長によって隠れていた本性を炙り出されることになる。

窓の向こうでは学生達が部活に勤しんでいる。
 掛け声や吹奏楽部の音出しが放課後の校舎に木霊していた。

 それらの光景を眺め、そして物音を聞きながら千和(ちわ)は関節が白くなるほど力を込めて窓枠を握り締めていた。
 きゅっと唇を引き結び、千和は眼鏡の下にある目を細める。頬は微かに赤みを帯び、下半身に触れる空気の冷たさが頼りない。

「意外と地味な下着なんですね」
 声は下方から千和の耳へ到達した。それを無視し、彼女は視線を窓の外に固定する。うっすらと窓ガラスに映る自身の顔は、恥辱に歪んでいないかとそっと確認した。
 
「無視なんて酷いな」
 彼女の足元に座っている声の主は無遠慮に千和の尻肉を揉む。
「生徒の前で下半身を露出してるくせに」
 微かな嘲笑が混じった声音に、千和の頭にかっと血が上った。
「あなたが、そうさせてるんでしょッ」

 言葉の通り、千和の足元にはパンツスーツが脱いだままの状態で置かれている。下着とストッキングだけは残っているが、異性の前であるというだけでなく、職場である学校内でこのような格好でいることはあまりにも耐えがたい。

「公長(きみなが)君、もうやめましょう、こんなことは」
「やめる理由が僕にはないんですよね。だって、メリットがあるのは先生だけでしょう?」
「私が君を訴えることだってできるのよ?」
「じゃあ、教え子だった僕の兄に手を出していましたって、世間に公表しないとね」
「……っ」
「まあ、別にいいんですけどね。先生が自棄になって、何もかもぶちまけるってことにしても」
 ただ、と底冷えするような声音で公長は付け加えた。
 
「その時は先生も兄も一緒に地獄に堕ちてもらいますよ、絶対にね」
「痛っ」
 力任せに尻を握られ、思わず千和は声を上げる。

「まあ、こんなつまらない話はやめにして楽しみましょうか」
 握り潰さんばかりに力を込めた場所を一転して優しく撫で擦り、公長は声の調子を戻した。

 公長の手が尻肉だけでなく、敏感な部分へと無遠慮に股を割って侵入してくる。下着とストッキングに守られているとはいえ、半ば反射的に千和は足を閉じてしまう。
 
 その反応に公長は鼻先で笑い、慈しむかのような手付きでしっとりと千和の太腿を撫で始める。羽毛の先でくすぐるような絶妙な力加減は、奇妙なむず痒さを発生させた。
「う、くっ」
 千和は思わず声が漏れてしまい、口元に手をやった。

「ちゃんとしてないと、外から見られた時に困りませんか?」
「わ、分かってるわ」

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