死せる花の箱庭 (Page 4)

「達哉、亜沙子さんとは仲良くやっているか?」

「なんで、そんな……。もちろんだよ。父さんだって、分かってるだろ、それぐらい」

 明らかに困惑した口調で返す達哉と会話しながら、耕平はゆっくりと腰を動かし始める。肉の襞が絡まり、男根から湧き上がってくる快感で簡単に射精してしまわないよう堪えながら、息子と会話を続けた。

「亜沙子さんと一緒になって、美玖が生まれて、幸せか?」

「当り前じゃないか。見ればわかるだろ?」

「ああ、そうだな」

 亀頭がぎりぎり埋没するぐらいまで一旦引き抜き、耕平は一気に亜沙子の最奥まで再び男根をねじ込む。子宮口を強襲され、呆気なく亜沙子が達する。ぎゅうぎゅうと耕平の男根を締め付け、絶頂の余韻に全身を震わせていた。

「ずっと、こんな幸せが続けば……」

 唇を噛み、耕平は力任せに腰を打ち付ける。

 肉と肉がぶつかる音が部屋の中に響く。

「あっ、ぁぁっ、あぅぁっ」

 亜沙子の口からは嬌声が止めどなく溢れ、すっかり情欲に堕ちてしまっている。ドアを隔てた向こうに夫がいることなど、微塵も考えずに自らも男を迎え入れるべく腰を動かしていた。

「父さん、僕は幸せだよ」

「ああっ、あああああっ、あなたぁ!」

 達哉の言葉に誘われるように亜沙子が絶頂し、同じように耕平も彼女の中で射精した。

 一度目の射精に比べても、まだまだ濃い精子をたっぷりと息子の妻の膣へと射精したのだ。罪悪感はない。

 代わりにぐったりと床に倒れた亜沙子が口にした言葉を聞き、耕平は僅かながら胸の空隙が埋まる心地がした。

「あなた、あい、してる」

 激しく動いて乱れる呼吸が整うよりも前に、耕平はベッドのそばにあるサイドテーブルの上にある小型のリモコンを手にした。

 ボタンを押し、彼は宣告する。

「p0417、日常ルーティンに戻れ」

 性交の後の余韻に震えていた亜沙子は、何事もなかったかのように立ち上がり、身なりを整えてにこやかに答えた。

「かしこまりました」

 それだけ言い、さっさと部屋から出て行く。

 ドアの前には達哉がいた。

 達哉は亜沙子と同じような、にこやかな顔でドアの前に立ち尽くしている。そんな息子にも耕平は亜沙子にしたのと同じ手順で命令した。

「p0416、p0417と日常ルーティンを再開しろ」

「かしこまりました」

 去っていく後ろ姿を見送り、耕平は脱ぎ捨ててしまったズボンを履き直した。

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