やけ酒の末に

・作

元カノにフラれた俺はやけになってコンビニで買った酒を片手に近所の公園でやけ酒を飲んでいた。自暴自棄になっていたが気がつくと見知らぬ女がそばに立っていた。

初めて付き合った彼女にフラれた日の夜。

むしゃくしゃした気持ちのまま、やけくそに酒を大量に買った。

自分の部屋にいるとどうしようもなく彼女を思い出してしまいそうだった俺は、コンビニまでまたがってきたチャリンコのかごに大量の酒を放り込むと近所の公園まで走った。

『他に好きな人ができたの、ごめんね』

チャリンコを走らせながら、別れを告げられた瞬間がいまだに何度もリピートされる。

別れたくなかった。

初めて好きになって、自分から告白した。

オッケーされた時は夢の中にいるんだと思った。

それからずっと幸せな日々が続いた。

このまま結婚まで行くものばかりだと思っていたのに。

そう考えていたのは俺だけだったんだ。

チャリンコをこぐスピードをあげる。

俺のバカ、裏切られたのに、一方的に別れを告げれたまま音信不通にしてくるような女なのに、どうしてこんなにも胸を痛めているんだ。

公園に着いた。

遅い時間のせいか、人の姿はない。

乗ってきたチャリンコから降りて、近くのベンチに座った。

かごから酒の入った袋を取り出すと、無造作にプルトップに指をかける。

プシューという普段なら気持ちのいい音が今は虚しく響いた。

「ちくしょう…何が他に好きな人ができたのだよ」

ぐびぐびとビールを飲み干し息を吐く、次から次へ買った酒を開けていった。

心地のよい酔いが身体中に回り、頭の中がハイになっていく。

悲しみが今だけは薄れ、心地のよい酔いに身を任せていた。

その時だ。

「こんばんはお兄さん、ずいぶん酔ってますね」

ふいに聞こえた声に、俺は緩慢な動作で声の方に顔を向けた。

そこには見覚えのない女性が立っていた。

肩まで伸びた髪、露出の多い服、比較的可愛らしいという部類に入る顔だ。

女は酔ってふらふらの俺の隣に腰をかける。

誰だ?と思いながらも、酒で理性が飛んでいた俺は深く考えもせずにへらへらと笑った。

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