湯煙に理性は溶けて (Page 4)

 再び鎌首をもたげた男根を茜の秘所へとあてがう。蜜を溢れさせる割れ目に分け入り、入り口を探す。その動作に焦らされていると思ったのか、茜は自らの手で秘所を開きねだる。

「はやく、ください」

 熱を帯びた声に英彰自身も我慢ができなくなり、男根を茜の中へとねじ込む。一切の遠慮がない本能に任せた挿入だった。入り口は狭く絞られるようだったが、中はすっかり解れて男を奥へと導いていく。そして最奥に男根の先端が触れる。

「ああっ……あぅ」

 膣内がうねり、動かずとも肉で淫靡に男根をしごく。一度彼女の口で放出していなければ、そのまま射精してしまいそうだった。

 軽く達してしまったらしい茜が体を震わせている様を見下ろし、英彰は息を整えた。

 蠢く膣内をゆっくりと味わいながら腰を前後させる。ねっとりと肉壁が絡みついて男を離さない。

 英彰は彼女の尻を掴むと先端だけを膣に埋め込んだ状態から、一気に最奥まで乱暴に挿入した。同じように何度もぎりぎりまで引き抜いて、奥まで一息に突き刺す。その度に茜の口から喘ぎ声が上がる。最初こそ彼女は喘ぎ声を抑えようとしていたが、何度か腰を打ち付た今ではそんな余裕はなくなったらしい。

「ああっ! ひぃっ、またぁ、またイキます!」

 もっとも余裕がなくなっていたのた英彰も同じで、二度目の強い射精感が背筋をじわじわと這い上がってきていた。

「ああ、凄いのくるっ」

 切羽詰まった声を出す茜の一番奥へ男根の先端を密着させ、英彰は射精する。一度放出したというにねっとりと濃厚な精液が彼女の膣を満たす。その感触に英彰は腰を震わせた。茜も立っていられなくなったのか湯船の中へ座り込んでしまう。その拍子に男根が抜け、湯船の中へ二人の精液が混じったものが広がっていく。

 何も言わす英彰は茜を残し、温泉を出た。逃げ出したつもりはなかった。それどころかある種の予感めいたものが今の彼にはあった。

 そして予感は食事の準備を頼み、自室へと帰る途中で現実のものとなる。

「もう食事はしました?」

 浴場から歩いてきた茜の耳元へ囁く。彼女は小さく首を振った。

「じゃあ、一緒に食べましょうか」

 そう言って服の下から手を差し込み、乳房を乱暴に掴むが抵抗する素振りは見せない。それどころか艶めいた瞳で彼女は英彰を見上げる。

「じゃあ、食堂で」

 それだけ言い置き、英彰はその場を後にした。

 予定外にも楽しい旅行になりそうだと、一人でほくそ笑みながら。

(了)

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