電車遊戯
晃はレンタルビデオ屋で年上の同僚、奥野みどりと偶然出会う。みどりが欲求不満らしいことに気づいた晃は、刺激的なことをしないかと誘う。そして満員電車の中、晃はみどりに痴漢をしかけていき……。
会社の外で同僚に会うのは気まずい。それが鉄仮面と呼ばれている相手なら、なおさらだ。
レンタルビデオ屋でぶつかって、DVDケースを落とした相手を見て晃は内心うめいた。
奥野みどり。40歳手前で、めったに笑わない真面目人間の年上の同僚。32歳の晃にとって、なんとなく頭の上がらない相手だった。
「すみません」
「いえ、私もよく見ていなかったから」
愛想笑いもしないみどりに白けながらも話しかける。
「奥野さん、アクション映画が好きなんですか?」
「……毎日退屈でつまらないから、刺激が欲しいというか……」
「刺激ですか」
晃は拾ったDVDを眺めた。
アクション映画と、有名女優の大胆なセックスシーンが話題になった、しかしアダルトビデオではない映画。
プラス欲求不満かと、晃はみどりを眺めた。
愛想はないが、体つきはエロいと密かに思っていた。年齢のためか、肉がついてムチムチと柔らかそうなお尻と、負けないくらい大きな胸。ウエストと足は太過ぎず細過ぎず、顔も美人系で笑顔さえもっと見せればモテそうだった。
晃自身、彼女と別れたばかりで退屈していた。レンタルビデオ屋に来たのも、そのせいだ。
晃は駄目元で提案してみた。
「奥野さん、良かったら俺と刺激的なことをしてみませんか?」
数日後、晃とみどりは駅のホームにいた。通勤通学時間ということもあって、人でごった返している。
晃は通勤に着ているダウンではなく、このために買ったロングコートを着ていた。
「どうして有給を取ってまで満員電車に乗らなくちゃならないのよ」
「まあまあ。会社と反対方向の電車に乗るのも新鮮でいいでしょう?」
「まあ、そうね……」
「生足はどうですか?」
「なんだか恥ずかしいわ」
ストッキングをはいていないのが気になるらしく、しきりにタイトスカートを触っている。
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