あなたに刻む文字 (Page 2)

「町田さん、これ何ですか。もしかしてイッた回数ですか」

 圭子の顔が真っ赤に染まった。

「旦那さん、事故で亡くなったんですよね。じゃあこれは自分で慰めてイッた回数ですか」
「や、やめて……」

 話し声が近づいてくるのが聞こえて、稔はスカートから手を離した。

「場所を変えましょう」

 

 

「どうぞ……」

 圭子は一軒家に住んでいた。買った時は夫に先立たれるなど想像もしていなかっただろう。広々とした家が寒々しく感じられる。

「とりあえず、お茶でも……あっ」

 圭子の手を取って階段を上がる。

「寝室はたぶん2階ですよね。どの部屋ですか?」
「……そこです」

 ドアを開けると、ダブルベッドが置かれていた。

「ここで慰めていたんですか」
「あの、もうやめて下さい……」

 弱々しく抵抗する姿は稔を凶悪な気分にさせた。
 ここまで来た以上、とことんまでやるか、すべてなかったことにしてバイトも辞めるしかない。バイトに未練はないが、圭子に手を出さずに離れるのは嫌だった。

「きゃっ」

 圭子をベッドに突き飛ばす。

 スカートをめくり、ストッキング越しに内ももを撫でる。

「嘘でしょ、自分で慰めて6回もイッたんですか」
「言わないで……」
「どんな風にするんですか?」
「……指で……」
「へえ」

 爪を立て、股部分のストッキングを破る。
 白い肌に書かれた文字は生々しく、稔はたまらずにべろりと舐めた。

「ひっ」

 更にストッキングを破り、下着越しにクリトリスにむしゃぶりついた。

「やああっ」

 舌で愛撫していると、だんだん下着が唾液以外のもので濡れてきた。下着をずらし、直接クリトリスを舐めながら指を挿入した。

「いやあっ、ああっあっ」

 圭子の体が痙攣した。

「もしかしてイキました?」

 答えはなかったが、体の反応を見れば一目瞭然だった。

 

 稔はベッドサイドの引き出しを開けた。
 入っていたのは、ローションと黒の油性マジック。

「正の字じゃなくて、イッたり感じたりしたら書きましょうか」

 稔は圭子のおへその下に「指」と書いた。
 圭子の長袖シャツを脱がせてブラジャーをはぎ取る。重力に負けず、お椀形を保っている美乳をわしづかみにして揉みしだいた。

「ああっ、そんなきつく……」
「荒々しく無理矢理されるのが好きなんじゃないのか? どんな妄想をして慰めていたのか言えよ」

 両手から伝わる気持ち良さに敬語を使うのも忘れて強要する。

「夫に……少し乱暴に抱かれたのを思い出して……」
「まだ愛してるんだ」
「それは、もちろん……」

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