兄嫁の本性
金の無心を兄嫁である帆乃美(ほのみ)に断られてしまった博隆(ひろたか)は、彼女の不倫の証拠写真をたてに脅迫する。そして、帆乃美の体を弄び、ついには兄であり、彼女の夫である博信(ひろのぶ)と邂逅させてしまう……。
「なあ、ちょっと、都合してくれるだけでいいんだ」
博隆(ひろたか)はテーブルに額をくっつけてそう言った。
彼の前にいる兄嫁の帆乃美(ほのみ)は、嫌悪感も露わに博隆を見下ろしている。
「うちもそんなに余裕があるわけじゃないんで。申し訳ないですけど」
取り付く島もない様子で彼女は吐き捨てた。
「じゃあ、こいつを買ってくれないか?」
「買う? うちはリサイクルショップじゃ――」
眼前に突きつけられたスマホの画面を見て、帆乃美の声が喉の奥で引っかかって消える。引き攣った彼女の顔を見て、博隆は口の端を持ち上げた。
「これ、あんただろ。真っ昼間からラブホ街なんざ、うろつくもんじゃないだろ。あぁ?」
昨今のスマホはデジカメにも引けを取らない性能を持っている。そのおかげで、男連れで歩いている帆乃美の顔がはっきりと見分けられた。
「た、たまたま知り合いと歩いていただけじゃない」
「あんたの知り合い、良い趣味してるな」
「え?」
次に博隆が見せたのは全裸の帆乃美の写真だ。ご丁寧に端には撮影日が表示されている。
「こいつ、ハメ撮りが趣味なんだってな。他にもいろいろあるぜ」
次々と披露される自分の卑猥な姿に帆乃美は頬を引き攣らせ、顔を青くした。
「兄貴が聞いたら、激怒するだろうな。『あの人の粗チンじゃ』なんだっけ?」
「……」
「あんたが怒るなよ」
「……幾ら?」
「あん?」
「幾らほしいのよ。言っとくけど、出せる額は決まってるから。無理なもんは無理よ」
「あー、はいはい。金ね」
金の無心に来たくせに、博隆は馬鹿にしたように笑う。その態度が癇に障った帆乃美は怒りを隠そうともせず、眉間に皴を寄せる。
「今はとりあえず金はいい。代わりにあんたの体を楽しませてくれよ」
「嫌よ。どうして、あんたなんかとヤらなきゃいけないのよ」
「今更浮気相手が一人増えたところで、何の問題があるんだよ。俺を六本目のチンコとして迎えてくれよ」
帆乃美は肉体関係にある男性のことをすっかり知られているのだと悟った。そうなってしまえば、割り切って相手をしてしまった方が楽かもしれない。夫の弟なのだから、どうせ似たような粗末なものをぶら下げているだろう。
渋々頷く帆乃美と対照的に、博隆はさらに笑みを深めるのだった。
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