花陰に果実 (Page 3)

「あっ」

 目が合った高尾は意味のない言葉を口走った。

 それがさらに女の覚醒を促したのか、彼女も同じように口を開いた。

「どちら様?」

 鈴が鳴るような軽やかな声。

「えー、あー、わたくし、高尾と申します」

「たかおさん?」

「ええ、然様です」

 女の顔が綻ぶ。

 花が咲くようだった。

「立派なドレスでございますね。どこかのご令嬢とお見受けしますが」

 くすくすと女が笑う。

「変な冗談」

「あはは……」

 愛想笑いを浮かべる高尾に対し、女は重たげな仕草で体を起こす。

 その様子に思わず手を貸した高尾の手を女が握る。その手を彼女は頬に持っていった。慈しむような微笑みを彼に向ける。

 意味が分からず硬直している高尾を無視し、女が言う。

「なかなか会ってくれないから、待ちくたびれたわ」

 頬へ当てていた手を彼女はベールの下へ引き入れ、甘噛みをした。拗ねたような表情になり、じっと上目遣いで高尾を見る。

 その目付きと甘噛みの感触に高尾の肌が粟立つ。嫌悪ではない。快感だ。

 高尾がその快感を堪えていると女の舌先がちろちろと指を嬲る。

 むくりと袴の下で高尾の男根が首を擡げた。腰を引いて勃起を隠そうとするが、女は嬉し気に目を細めてさらに彼の指先を愛撫する。

 指が性器であるかのように舌で責められ、高尾はどんどん自分のものが固さを増しているのを感じた。男根が上向く時に下穿きに擦れることすら性感になってしまう。

 据え膳喰わぬは男の何とやら。

 高尾はぐっと腹に力を入れ、自由な手を女の体へと伸ばす。

 彼女は高尾が覚悟を決めたことが嬉しいのか、艶然とした笑みを深める。

 些か乱暴に高尾は楚々と隠された女の胸元へ手を差し込む。滑らかな肌の感触にさらに昂る。

 高尾は女の口から手を引き剥がし、押し倒した。花の上へ再び倒れた女に覆い被さり、彼はドレスの前を乱暴に引き下ろす。乳房が露わになって女は恥ずかし気に隠そうとする。だが、彼はそれを許さず両の手首を押さえつけ、乳房へと歯を立てた。

「ああっ」

 紅く歯型が付き、乳房の頂点が固くなる。桜色のそれを高尾は舌と歯で弄ぶ。

 快楽に喘ぎ、女は身を捩って逃げようとするが、彼は許さず首筋にも歯を立てた。いやいやをするように女が首を振る。するとベールが再び女の顔を隠してしまう。

 高尾は女の手を放し、自らの袴と下穿きを脱ぎ捨てる。

 露わになった男根はびくびくと動き、鈴口はすでに先走りでぬめっていた。太い血管が表面に走る些かグロテスクなそれを高尾は女の眼前に文字通り突き付ける。

 ベールの下に自らの男根を差し入れ、雄の匂いをたっぷりと嗅がせてやる。

 ウエディングベールを不埒にも男根でまくり上げ、女の素顔を晒す。

 女が舌を伸ばす。

 赤いそれで男根の裏筋をなぞるように、ゆっくりと高尾は腰を動かした。

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