絶望と花と縄師 (Page 3)
「先生、本気ですか?」
犬飼聡美が詰め寄った。
「法に触れるんじゃないんですか」
聡美はOLをしながら縄師として山城に弟子入りした女性だ。一回りほど年下の聡美の弟子入りを最初は断っていたが、山城が根負けした形で受け入れた。縄師を目指しているとは思えないほど童顔で小柄だったが、その情熱は本物だった。
仕事を通じ、いつしか師弟の仲を超えた感情をお互いに抱いて、将来は結婚の約束をしていた。
「作品のためなら、やむを得ない」
「そんな! やめて下さい」
「理解できないなら、弟子をやめてもらって構わない」
聡美がぐっと言葉に詰まる。
「弟子をやめるということは、私たちの関係も終わりだってことですよ」
「……そうだな」
「……本気ですか」
「ああ」
「……そうですか」
聡美はそれ以上言わずに出て行った。
そして、そのまま戻ってこなかった。
会場となる座敷には男たちが集まっていた。山城の考えに賛同して出資してくれた人物達だった。それなりの地位もあり、口外される恐れはない。
山城は聡美のことを考えていた。
反対するのは分かる。だが、作品を見れば分かってくれるはずだ。
「では、本日の花器の登場です」
山城は目を見開いた。
入ってきたのは、鮮やかな赤い着物を着た聡美だった。
呆然としている山城に、聡美はまっすぐ見つめてきた。
『私が大事なら、止めて』
目がそう言っていた。
山城は目を閉じて深呼吸した。
ここまでしてくるとは思わなかった。
山城は目を開けた。聡美に近づく。
聡美が期待と不安の混じった表情で山城を見つめてくる。
山城は帯に手をかけて、するりとほどいた。帯が床に落ち、着物の前がはだけた。
「先生……」
かぼそい声を無視し、着物を床に落とす。
若々しい肉体を惜しげもなくさらされ、聡美が小さく震えた。
とっさに逃げようとした聡美を押さえ、山城は手早く縛っていった。後ろ手にし、膝を曲げてM字開脚にした状態に縛って性器を丸出しにする。聡美を横たえ、男たちに下半身がよく見えるように位置を定める。
山城は所々に結び目のついた縄を聡美の股間に当て、前後にこすっていった。
「やっあっくい込んでぇっ……」
結び目がクリトリスや秘部をえぐるたびに聡美の体がビクンビクンと跳ねる。やがて、縄がしっとりと濡れてきた。
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