異貌なる者の蜜事 (Page 4)
「あっ」
小さく声を上げ、玻璃は強すぎる快楽に意識を飛ばした。
潮だけでなく小水も漏らし、足元に水溜まりを作ってしまう。
彼の男根は子供の腕ほどもあり、ごつごつした瘤が幾つもある長大なものだ。人類どの交合では決して味わえない悦楽に玻璃は容易く意識を飛ばしてしまう。それは初めて彼女を抱いた時から変わらない。
二度、三度と気を失いながらも強烈な快感が意識を完全に喪失することを許さないのだ。
ごつごつと子宮口を突かれ、玻璃が目を覚ます。
「ひんっ、ああっ、いく、またぁ、旦那様のものでぇ、いきますぅ」
盛大に潮を撒き散らし、絶頂した玻璃を抱え上げ、彼はさらに男根を動かす。先程挿入していた五指と男根を癒着させ、子宮の奥をさらに責めるべく彼は第二の男根ともいえる細長い先端を形成した。
「いぎっ、こわ、壊れるぅ、旦那様壊れちゃいますぅっ」
子宮すらも快楽を感じる器官として仕込まれた玻璃は、最大級の快楽に波に理性を跡形もなく打ち砕かれる。膣肉が蠢き、自らの肉体に入り込んできた男根を締め上げ、射精を強く促す。彼もその要請に抗わず、射精する。
「ああ、旦那様……」
子宮の入り切れなかった精液が逆流し、音を立てて玻璃が作った水溜りの上に落ちていく。
強烈な絶頂の余韻にまともに身動きすらできない玻璃を抱きかかえたまま、彼は庭にある木を見つめていた。そこには鳥の巣がある。
いつの間にか産卵し、孵化させていたらしく、親鳥が忙しく行き来していた。
「玻璃、人間にも刷り込みはあるのかい?」
生まれて間もない雛鳥は目の前にある動くものを親として認識することがあるという。人間にもそのような本能があるとすれば、玻璃が自分に従順な理由も説明できるのではないかと彼は考えたのだ。
「どうでしょう。少なくとも私が旦那様のお傍にいるのは、刷り込みのせいではありませんよ」
「ふむ」
分からない。
だが、彼はそれ以上問いを重ねなかった。
代わりという訳でもないだろうが、玻璃が言葉を重ねる。
「分かりませんか?」
「ふむ」
「……ゆっくり考えてくださいませ」
玻璃は溜息を突き、彼の胸に頭を預けた。
その重みを感じ、彼は自らの中に生まれた情動を名付けようと模索するのだった。
(了)
レビューを書く