籠の鳥は、いつ出やる (Page 9)
彼女の健太に対する献身的な態度の理由を知り、邦彦は腑に落ちた気分だった。
要するに彼女は自分が助けられたかもしれない、と感傷に浸っているのである。殊更可哀そうで、無力な悲劇のヒロイン役に十年近く酔っていられるその性根に、思わず邦彦は笑ってしまいそうになった。
笑いを噛み殺し、邦彦は紘奈を抱き寄せる。慰める役どころを期待されているのだろうから。
「大丈夫だよ、紘奈ちゃん。誰も君を責めたりしない」
固くなっていた紘奈の体から少し力が抜けた。納得したらしい、と邦彦は失笑しかける。
「ねえ、紘奈ちゃんが隠れていた場所を、教えてくれる?」
言われた彼女は不思議そうな顔をしたが、どうしてと問いはしなかった。代わりに邦彦を公園の生け垣とコンクリートブロックの塀の境界線へと彼を案内する。そして、生垣を割って中に入ると、そこには生垣とコンクリート塀が入り組んだ小さな袋小路を作り出していた。小学生にはちょうど良い隠れ家かもしれないが、今の二人には狭苦しい。
「ここに一人でいたの?」
「はい」
「そう。思い出の場所なんだね」
再び俯いてしまった紘奈をコンクリートの塀へと邦彦は押し付けた。
「健太のことを見捨てた悪い子には、お仕置きだ」
意地の悪い声で耳元に囁くと紘奈が体を固くする。自分を守るためなのか腕で体を抱き、彼女はいやいやと首を振った。邦彦は紘奈の細い首に手をかけ、無理矢理顔を上げさせる。そして、片方の手で腕を払った。
「苦、し、くにひ、こさん」
「お仕置きだって言ったよ、紘奈ちゃん」
首筋に歯を立て、冷たく邦彦は言い放つ。
「自分でスカートを持ち上げて、こっちに尻を向けなさい。早く」
豹変した邦彦に怯え、目を合わせることもできず紘奈は指示通りの格好になった。スカートから現れた尻は上等な果実のようにショーツでラッピングされている。邦彦はそのまだ青さの残る果実を思い切り叩いた。
「ひっ」
肉を打つ乾いた音が微かに反響して消える。
「う、くっ、いぃ」
容赦ない打擲が何度も続き、見る見るうちに紘奈の白っぽい尻は赤く色付いていった。
「痛いかな? 健太はもっと痛かったかもしれないよ」
「ごめ、ごめんなさい、ごめん、なさいぃ」
涙声で謝る紘奈を見ていると邦彦は自分の中にある嗜虐心が満たされていくのを感じる。妻を抱いても、今までの恋人達を抱いても決して満たされなかった飢えが癒されるのだ。
邦彦はガチガチに勃起した自らの性器を取り出し、赤く腫れている紘奈の尻肉に擦り付ける。先走り汁が蛞蝓の這った跡のように残った。
我慢などできようはずもない。邦彦は剛直をまだ濡れていない紘奈の膣へと強引に挿入する。
「いたっ、痛い、邦彦さんっ、やめて」
「静かにしないと、誰か来るかもしれないよ。紘奈ちゃんの恥ずかしい所も全部見られてしまうよ。それとも、その方が興奮するのかな?」
ゾクゾクする
エロくて怖くて哀しくて…最高でした。
ま さん 2023年12月24日