隠れてすること (Page 3)

「SNSとか、そういうとこには危ない人も多いからね」
「大石(おおいし)君もじゃないの?」
「僕は心配だからやめてほしいだけだよ。それだけで十分だから」
「どうして?」
「どうしてって、それは……」

 危ないことをしている人がいたら、それが親しくしてくれる人なら助けたり、注意したりするのは普通ではないのか。信晴はそんなことを思ったが、そのことを説明しても千鶴恵が分かってくれるのか、自信がなくなっていた。

 あまりにも彼女とは思考が違い過ぎる。
 そのまま信晴が言い淀んでいると、なぜかぱっと千鶴恵の表情が明るいものに変わった。

「じゃあ、大石君にも悪いことしてもらっちゃおうかな」
「わ、悪いこと」

 千鶴恵は信晴の手を掴むと席を立ち、トイレへと連れて行った。

「ちょっと、こっちは女子用だよ」
「そうだよ」
「そうだよって、うわぁっ」

 信晴がぐずぐず言っていると、千鶴恵に強引に中へ引っ張り込まれた。幸いなことに中は無人だったが、いつ女性が用を足しに現れるか気が気ではない。まさか変質者に仕立て上げようとしているか、と信晴が青くなっているとそのまま個室に連れ込まれてしまう。

 子供じゃあるまいし一人で用が足せないという訳でもない。一体何が目的なのかと信晴が顔を引き攣らせていると、千鶴恵がひょいと気軽な様子で彼の下半身を露出させる。
 ぽろりと信晴の陰茎がまろび出た。

「おわっ」
「しぃー……。人が来たら気付かれちゃうよ」
「な、何してるの?」

 ズボンを引き上げようとする信晴に対し、千鶴恵はその足元にしゃがみ込んでズボンをぐいぐいと下へ降ろしてしまう。

「むふぅ」
 変な笑い方をして、千鶴恵が陰茎に舌を這わせた。下を向いていた男根がその刺激で上を向く。刺激は次第に痺れるような、それでいて甘い快感へと変わる。たかが舌でなぞられている程度だというのに、自分の手で扱く時には得られない快感に信晴は腰が抜けそうになってしまう。

「気持ち良い?」
「気持ち、良い」
「人って見かけによらないよね。こんな凶悪そうなもの持ってるんだもん」

 陰茎から口を離し、手で扱きながら千鶴恵が笑う。そして、信晴の男根を頬にくっつけてスマホで自分の顔ごと写真を撮影する。
 てろりん、と馬鹿みたいに明るい音色がトイレの個室に響いた。

「ほら、見て見て。でっかくない?」
「えぇ……」

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