隠れてすること (Page 6)
「初めてだったから、その、下手だったよね」
千鶴恵の中から男根を引き抜き、射精後特有の冷静さで信晴は謝ってしまう。だが、千鶴恵は絶頂直後の緩い笑みを浮かべた。
「初めてだったの? すっごく気持ちよかった」
「と、とにかく出よう」
信晴はトイレットペーパーでさっさと千鶴恵の秘部を拭き取り、そろりとトイレから脱出した。
席に戻った二人は、それぞれ飲み物を飲む。
不気味な色にミックスしたドリンクバーを飲みながら、千鶴恵はふふふと笑う。
「気持ちよくなかった?」
「いや、それは……、気持ち良かったです」
素直に信晴は答えた。
「ねぇ、やっぱり気持ち良いでしょ? 隠れてするのが、やっぱり一番気持ちいいんだよ」
その言葉を聞いて、信晴は合点がいった。
千鶴恵がSNSに過激な自撮りを上げていたのは、隠れて悪さをするスリルを楽しんでいたのだと。
「ところで、あたし、大石君の恥ずかしい写真撮ったんだけど、どうする? 一緒にアップする?」
「……勘弁してください」
「じゃあ、一緒に楽しもうね」
楽しくできるかなぁ、と信晴は溜息を吐くのだった。
(了)
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