鴨の味 (Page 4)
龍二の身体からは、ほのかな石鹸の香りがした。
穂波は披露宴の間から熱を持っていた自分の身体がやはり恥ずかしくなり、少し俯いて言った。
「シャワー、いい?」
「だめ」
龍二は穂波の腰に両腕を回してぐっと抱き締めると、耳元で言った。
「シャワーなんかせずにいつもヤッてただろ。お前の匂い嗅いだら思い出してきた」
身体が密着すると、既に龍二のペニスが硬くなっていることが布越しにもわかる。
「龍二にいちゃんは浴びてるじゃん」
「俺はいいんだよ」
笑いながら言って、龍二は穂波の背中にあるワンピースのファスナーを一息に下ろした。
「あっ」
背中を伝う龍二の指の感触に、穂波は思わず声をあげた。
龍二が肩から腕の部分を脱がすと、宴席用の艶のある素材のワンピースがストンと床に落ちる。
「子ども産んでも、感度は相変わらずなのな」
ワンピースの下に着ていたスリップもするりと脱がせながら、龍二は満足そうな声で言った。
「そんな、こと…っああぅ」
素肌があらわになった穂波の背筋を、龍二が今度は下からゆっくりと撫でると、穂波はピクンと身体を震わせて甘い声で鳴く。
龍二は懐かしい穂波の喘ぎ声に情欲を煽られ、自分の着ていたバスローブを脱いで一足先に全裸になると、1人用にしては広いセミダブルのベッドに下着姿の穂波を押し倒した。
龍二の方にとっても、若い日に経験した穂波との爛れた性生活は強烈に記憶に残っている。
何度もかぶりつき、骨の髄までしゃぶったと言える穂波の肉体だが、久しぶりに見ると時間経過によって熟成されたかのような旨味が加わっているように見える。
「デブったな」とからかったのは冗談だが、穂波が全体的に肉感的な身体になっているのは事実で、中でも乳房は2人の子どもを育てたためかずっしりとした重みを主張している。
仰向けに寝ていてもたっぷりとした肉量がわかるその乳房に、すぐにでもしゃぶりつきたくなった龍二は穂波のブラジャーをめくり下ろして、乳房をぶるんと露出させた。
剥き出しになった乳房がブラジャーのワイヤーにのっかっているような見た目は、どこかポルノっぽさがあり龍二をより興奮させた。
「ちょ、恥ずかし…ぃ、んんっ、あ、あああっ」
じっと見ていると乳首がみるみる勃起してきたので、龍二はぷっくりと膨らんだその乳首にいきなりしゃぶりついた。
「ああっ、あ、だめ…んんんっ」
穂波は顔をのけぞらせて声をあげた。
龍二の舌が自分の乳首を転がす、その久しぶりの刺激に一気にあの頃に引き戻される。
申し訳程度にこちらの乳首をつねる夫のそれとは比較にならない、ねっとりとした愛撫に穂波は力が抜けた。
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