心を満たし溺れるもの (Page 7)
「澄佳さん、足を開いて」
「はぁ、はい」
ゆるゆると澄佳は足を開く。
加藤はスカートを大胆に捲り上げ、ストッキングに包まれた彼女の足を撫でまわした。それからショーツの中へとローターと共に手を差し入れる。中は既に潤っており、陰核がおずおずと存在を主張し始めていた。
女性の割れ目をなぞり、陰核を刺激できる位置にローターを取り残して加藤はショーツから手を抜く。それから太腿の感触を楽しみながら、リモコンのスイッチを入れる。
「あぁん、これ、なんだか、変な感じがします」
「気持ちいいでしょう?」
振動は最小の状態だが、車内には蜂が飛ぶような低い音が微かに聞こえる。
「これで、今日は楽しみましょう」
そう告げて、加藤は澄佳と共に観光を始めた。
股間の異物感に最初は戸惑っていた様子の澄佳だが、すぐに慣れたらしい。歩く動作にも違和感はなく、本当に忘れたかのように彼女は振舞った。
あるいは振動もそれ程でもないと安心したのかもしれない。
澄佳のそんな慢心ともいえる心持ちを加藤は予想していた。
だからこそ、躾に観光地を彼は選んだのである。
「あそこ、ロープウェイで一気に上まで行けるみたいですね。乗ってみましょうか」
「はい」
弾んだ声で澄佳が答える。
デートにでも来たような様子の澄佳を伴って、加藤はロープウェイへ乗り込んだ。
ロープウェイのゴンドラはゆっくりと山肌に添うように登っていく。中には加藤と澄佳だけでなく、他にもグループが何組か乗り込んでいた。中には子連れの若い夫婦もいる。
ヴヴヴヴヴヴ、と低い音がゴンドラの窓から風景を見ている乗客を背景に響く。だが、乗客は景色に夢中で、誰も音に気付いていない。
にっこりと笑い、加藤は対面席の向かい側に座っている澄佳へ、目で足を開くように命じる。
頬を強張らせ、じりじりと澄佳は足を開いていく。
さらに加藤はスカートを膝上まで上げるように指示を出した。恥ずかしげに唇を噛み、彼女は足を開く時以上にゆっくりとスカートをたくし上げる。
澄佳の隣に加藤は移動し、ローターの振動を最大にした。
ぴくっと肩を震わせ、澄佳は俯く。彼女の首筋から耳朶にかけて赤くなっていた。羞恥に堪えているのだと顔を見なくても察することができる。
「なかなかの景色ですね」
何気ないふうに加藤は語りかけた。そして、腕を組むふりをして、そっと澄佳の乳房を刺激する。指先で輪郭をなぞり、乳首の辺りを押し込む。
服と下着があるので、その程度の接触では性感を得ることは難しいだろう。しかし、彼は快感を与えるために触れている訳ではなかった。
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