心を満たし溺れるもの (Page 8)
そもそも遠隔操作できるローターを下着に入れさせたのも、快感を与えるためではない。
全ては羞恥心を煽り、背徳的な行為に澄佳を没頭させるための装置。
音、微かな刺激。そして、無関係な人の存在。
そういった諸々が澄佳の中にある淫猥な部分を刺激する。
澄佳にとっては羞恥で肌感覚が敏感になっているにも関わらず、僅かな快感だけ与えられて欲求だけが募っていく。そんな責め苦だ。
ロープウェイが終点に着く頃には、すっかり澄佳の瞳は蕩けていた。発情した女の色香を漂わせ、ちらちらと覗く項まで艶めいている。
山頂の展望台から景色を楽しみ、下山するロープウェイの中でも同じように加藤は澄佳を責め立てた。
さらに観光の途中で食事をする時など、彼女が気を抜いたタイミングを見計らって、何度もローターを起動する。そうしている内に澄佳は次第に落ち着きをなくし、太腿を擦り合わせるような仕草を頻繁にするようになった。
「うひぃっ」
そんな折に不意を突いて加藤が乳首を手加減なしで捻り上げると、思わず澄佳は声を上げてしまう。
ただ、彼女には痛みよりも快感だったらしく、ふらふらと加藤に寄りかかってしまった。
「先生、わたし、もう我慢できないです」
熱い吐息を加藤の耳に吹きかけながら、澄佳が懇願する。
二人は観光を切り上げ、コインパーキングまで舞い戻ってきた。
「ここで、するんですか?」
期待と不安が入り混じった声で澄佳が訊ねる。
加藤はその問いかけを無視して駐車料金を払い、来た時とは違って澄佳を乗せて車を発進させた。
「あの、先生」
何度か澄佳が声をかけてきたが、それを全て無視して加藤はローターのスイッチを最大にした。
「ひ、あぅ、先生、これ、これじゃ、イケないんです」
「我慢しなさい。我慢できたら、もっと良くなりますよ」
「もっと?」
「そう。もっとです」
絶頂の二、三歩手前で留められてしまうもどかしい性感に、助手席でずっと澄佳は悶えていた。
人妻の痴態を横目に、加藤は人気のない山中へと車を走らせる。そして、しばらくは使われていないのだろう中腹にある駐車場に駐車した。駐車場には展望もなく、隅の方はアスファルトに亀裂が入ってそこから雑草が顔を覗かせている。
加藤は運転席から降り、助手席のドアを開け放った。車内に籠っていた女の淫臭がむっと押し寄せてくる。
「澄佳さん、こちらを向いて、足を広げなさい」
足だけ車外へと出し、澄佳は命令通りに最大限に足を開いた。スカートが捲れ、隠れていた太腿まで露わになる。その奥にあるショーツからは淫具が振動する音が聞こえていた。
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