見られたら、こまる (Page 2)
声を抑えているつもりだが、コントロールできなくなりそうな不安が鈴香の興奮をなおさら煽った。
そう高い訳でもない居酒屋なので個室といっても密室ではなく、簡易の仕切りで隣の部屋の様子は見えないというだけの座席だ。
普通の会話なら周囲の雑音に紛れるし、静かな店内という訳でもない。
どの座席でも会話は発生している。
しかし場にそぐわない喘ぎ声を出してそれが他の人間に悟られたらと思うと大っぴらにはやはり出せないものだ。
「はぁ…ちょ、ちょっと待って」
鈴香は息を少し荒げて精一杯の静止を試みるが、秀紀は乳房を揉む手を止めようとはしない。
「待たない」
「んっ…ふぅ、あ、ぁ…っ」
秀紀が鈴香の耳元で言って首筋をべろりと舐めると、鈴香はまたぴくぴく震えて反応した。
押し殺した甘い吐息が漏れる。
「あぁ…やばい…っ」
鈴香の興奮が一層高まる。
そして薄手のニットの上からでも、ぷっくりと乳首が勃起してきたことが見てとれた。
「んっ」
屹立して尚更敏感になった乳首がニットに僅かに擦れる感触も快感に変わって鈴香の身体の奥を疼かせた。
「えっろ…乳首勃ってる」
「ぅん…っ、だって…」
ぷっくり膨れたその周辺を、秀紀は指でくるくるとなぞった。
「ぁっ…だめ、それ…あ、あぁ…っ」
小さな声だが、息は確実にあがり身体はぶるぶる震えている。
「だめ?」
言いながら秀紀が乳首を爪先で軽く弾いた。
「はぁっ…ぅぅっ…」
たまらず鈴香は手で口元を抑え、強烈な快感を受け止めた。
「んっ、ふ、んんっ…ぁぁ…っ」
恥ずかしさと興奮で鈴香の体温がぐっと上がったのを感じた秀紀は、そのまま爪先で乳首をカリカリと擦り出した。
「あんっ、ん、だめ、だめ…っ」
いつ誰が入ってくるかもわからない場所で、下着をつけずに服の上から乳房を触られて身悶えているという状況が、ますます鈴香を興奮させた。
「ぃっ…それ、あ、ぅ…っ」
手で口を抑えていても、隣に座る秀紀には鈴香の甘い喘ぎ声が聞こえている。
気をよくした秀紀は、同じテンポで乳首をカリカリと擦り続ける。
「はぁんっ…ん、いっ…」
「めちゃくちゃエロい顔なってるよ、気づいてる?」
乳首を優しく擦り続けながら、秀紀はもう片方の手で鈴香の手を下ろした。
実際鈴香の表情は、目はとろんとして虚ろで、てらてらと濡れた唇は半開きで、一見して性的快感に酔っているという様相だった。
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