無観客の裏側でレス主婦と火遊び

・作

テレビショッピングのサクラ観客の仕切り。コロナ禍で揺れる広告業界にいる相川邦夫にとっては、久々の仕事だった。ソーシャル・ディスタンスのおかげで「お鉢が廻って来た」依頼に、部下を連れてヘルプに向かった邦夫。収録中に観覧客と閑散としたスタジオでのセックス、そして、収録終了後にも同じ相手とセックスを。熟女相手に事態は色っぽい方向へと進んでいったのだった!?

収録中にトイレで…

その日、内々I&P社所属のイベントディレクター兼コピーライターの相川邦夫は自分が率いる第4制作課の副課長・大下とペーペーの山崎を連れ立って、通販番組のヘルプに来ていた。
制作会社の〇社仕切りのこの番組は、素人観覧者をスタジオに入れて、実際に商品を見せながら「え~!」とか「あるある!」とかリアクションの声を入れながら構成していく、よくある番組だった。この観覧者にしても、コロナを恐れて最近の応募は以前の半数以下なので、仕出し会社が手配した「仕込み」(サクラの事)がほとんどだったのである。

MCには元男性局アナ、コメンテーターには往年の人気タレントを配して、実際の商品の開発者や社長が出てきては紹介していくアレである。
しかし、世はコロナ禍によるソーシャルディスタンス時代。観覧者は別室から進行に沿ってリアクションする段取りになっていた。見た目は“無観客”ながら、リアクション部分には別室の様子を挟み込みながらの構成だった。

邦夫たち3人は別室に待機する観覧者の対応を任されて、〇社のD(ディレクター)の指示通りに動いていけば良いという、使い走りでもできる人数合わせとして集められたのだった。現実はどうだったかというと、実際に邦夫と大下はそれぞれの部屋を仕切っていた次第だ。

それでも、人員不足のために何でもやらなければならず、実質的にAルームのDを務めていた邦夫は、「ちょっと気持ち悪くて…」という50歳の一般応募の女性を連れて、スタジオ内の医務室へと向かって行ったのだった。

「その前にトイレに寄ってくださる?」

そのご婦人・波子が言うので、
「こちらです」
「ありがと」
と、個室に入っていった。日曜の倉庫スタジオは貸し切りのようで、人気がなくて不気味でもあった。だが、それだけ安く借りられたのだ。

「ふぅ~」と邦夫は息を拭き出し、「結局、みんな忙しいからDもAD(アシスタントディレクター)も同じだな」と、思ったのだが、社内で干されている以上は仕方がないとも思っていた。

そんな事を考えながら廊下で波子を待っていると、

「背中を摩っていただけるかしら」
と、首だけをトイレから出して波子は邦夫を手招きしていた。

「婦人用には、入れないですよ」
と、面倒だからモジモジするフリをしてやりすごそうとしたら、
「ここで吐くよりは、イイと思んだけど」
と、半ば嚇してきたのである。

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