馴染みのからだ (Page 4)

「んんっ」

杏奈はわずかに身を捩るが、本当に嫌がっているのでないことは、何年も付き合っていたのだからわかっている。

脚を開いた状態で固定させるための力はしっかり込めるが、無防備になった杏奈の割れ目に触れる指の力はごく弱かった。

「はぁ…あ、あぁんっ」

既にとろとろに濡れた割れ目の奥から愛液をたっぷり掬い取って、優しくクリトリスに塗りつけた。

「んぅ、だめ…あぁ、あ、だぁめ…っ」

後ろからはがいじめにされて脚を思い切り開かされ、まるでポルノ動画のような体勢でいることに激しい羞恥心は湧いた。
しかし羞恥心の激しさとは裏腹に将吾の与える指での刺激は優しい。
この塩梅が本当に杏奈にはピッタリと「合う」のだった。

「あぁんっ、あ、そこ…んんんっ」

核心に触れないように、小陰唇をぬるぬると撫で回して、不意にぷるっとクリトリスの芯を弾くと、それだけでじゅわっと潮が溢れた。
勢いよく吹き出すのだけが潮吹きではないのだ。

「ああ、だめ…やだ、イッちゃぅ…あ、あぁんっ」

杏奈の感度が高まったのを見極めて、将吾は指の動かし方を一定のペースで固定した。
クリトリスの側面をすりすりと同じリズムで撫で続けると、すぐに杏奈の声は上擦った。

「はぁ、あ、それ、だめ…あぁいく、いくいくっ、あぁぁぁぁっ」

先ほどの乳首での絶頂よりも強い快感が杏奈を襲い、抱きすくめられた身体がそれでもがくがくと震えるのを抑えられなかった。

「はぁ、はぁ…すごい、こんなの…」

「こんなの?はじめて?」

少し落ち着いた杏奈の肩を撫でながら、将吾はおどけて言った。

「ばか…」

初めてでないのは互いに知っていることだ。
付き合っている時、杏奈はいつもこんな風に全身を震わせて絶頂し、繰り返す快感の波を貪欲に求め続けた。
しかしこんなに思い切り絶頂できたことが、彼と別れて以来なかったことを杏奈は言えなかった。

「ね、俺ももうやばい」

前戯で複数回の絶頂を与えた後、将吾は決まって自分の方から「挿れたい」と言い出してくれる。それも杏奈の好みだった。

「うん…」

杏奈の方ももちろん欲しくなっているが、自分だけが前戯で乱れさせられた状態で尚「欲しい」と口に出すのは彼女にとってはキャパオーバーだから、そこは相手に求めてもらうのが助かった。
こういうやり取りのバランスが本当に「合う」のだと杏奈は深く思い知る。

「手、そっちに」

短い言葉で簡単な指示を出して、将吾は杏奈の身体を後ろから抱えるようにして四つん這いにさせた。
杏奈は力なく頭を枕に突っ伏して、しかし将吾に促されるまま尻を高く上げた。

「んんっ」

杏奈の柔らかい尻たぶに片手を添えて、将吾はペニスの先端で割れ目を撫でた。

「はぁ…ん、んぅ」

求めるようにゆらゆらと、小さく杏奈は腰を揺らす。
どろどろに濡れたその感触に、たまらず将吾は一息に腰を進めた。

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