戯曲「オナホールと女と男」 (Page 2)

女「へぇ~、でもあんた、私と同棲する前は未亡人と付き合ってたんでしょ。なんでオナホールが必要だったの?本物の女とどっちがいいの?」
男「比べるものじゃないんだよ。それぞれのよさがある。据え置き型のオナホールも何種類かあって、本物の具合になるべく近づけようとするもの、締まりのキツさやイボイボを本物以上に強調したものなどいろいろだよ。このオナホールは自然に近いまったり感を与えてくれる。商品名は、極●生腰と言うんだよ。」

女「なんかビールみたいな名前ね。」
男「男がオナホールを離せない理由はいくつかあってね。一番の魅力は、コンドームを付けずに中に生出しできることだ。女性器が包み込む微妙な感触は、コンドームを付けると半減するからね。それから生で射精する解放感が最高だよ。」

女「そういうものなの?男はデリケートなのね。それからどんな魅力があるの?」
男「つぎの魅力は前戯不要ということ。面倒な前戯なしで、入れて出してスッキリできるからね。」
女「あなた私とするとき、キスして胸を触って、それから愛撫してくれるでしょ。あなたもビンビンに興奮してるじゃない?」
男「男は繊細でね。やりたくてたまらない時もある。無理に自分をふるい立たせて義務でやる時もある。男の性欲は、射精すれば治まるからね。入れて出せばそれで満足なこともあるのさ。」

女「勝手ねぇ!」
男「それだけじゃないよ。本物の女の子とやる時は、女の子を満足させなきゃならないだろう。少しずつ高めていって、絶頂に持って行くのが男の義務だ。だけど、それが面倒に感じることもあるよ。自分が好きな時に好きなように射精したいと思うこともあるのさ。」
女「あなた、なによ。女の子が乱れてよがるのを見るために、男はセックスするんだと言ってたじゃない?」
男「そういう時もあるということだよ。」

女「他にまだオナホールの魅力はあるの?もう何でも聞いてあげるわ。全部白状しなさい。」
男「女性器もアナルも楽しめることかな。オナホールはアナルも、本物に似せてよく出来ているよ。シワシワはあるけど、おおげさなイボイボはないし、穴は真っすぐに近い。」
女「あなた、私のアナルを使うとき強く締めてとリクエストするでしょう。オナホールのアナルは締めてくれないでしょう。」
男「そのとおり。オナホールの最大の欠点だね。」

女と男、お互いを見ながら「こんな話をしていると変な気になってきたね。昨晩やったばかりだけど、もう一度したくなってきた。」

二人は抱き合い、ソファーに倒れ込みます。
女「手抜きしないで、満足させてね。」

舞台は照明が暗くなります。

幕。

(了)

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