女社長の淫乱な欲望 (Page 2)

案内役の男の後ろについて歩くと、連れて行かれたのはホテルの高層階にあるレストランだった。
午後3時という時間のためか、レストラン内に他の客はほとんどいない。
レストランの奥にある個室の前で、黒スーツの男は振り返って修平に言った。

「中にお入りください」

「…はい」

修平はごくりと生唾を飲み、ゆっくり個室の扉を開けた。

「失礼、します」

「どうぞ」

何故だか異様にかしこまってしまった修平が一礼して顔を上げると、そこにいたのは修平もテレビで見たことのある有名人だった。

「サクラさん…って、あの、永野桜子…さん」

「あらご存知なの、嬉しいわ…どうぞかけて」

「は、い…」

永野桜子は優しく微笑んで修平に着席を促した。
修平は桜子の対面におずおずと座った。

考えてみればやり取りの中でも、こちらの写真は求められるまま見せていたが相手の写真は一度も見ていなかった。
金のある女は自分の美容に使える金があるのだから、目も当てられないような容姿、つまり「お礼」のためにでも勃起できないような相手が来ることはないだろうと踏んでいたが、まさかここまでの美女に買われることになるとは思ってもいなかった。

永野桜子は、銀座のナンバーワンとして長く界隈に名を轟かせた後、引退後に興した美容関係の事業が成功した事業家だ。
「美しすぎる女社長」の冠を付けられて多くのメディアからの取材を受けており、自身の発信力からインフルエンサーとしても活躍していた。

「永野さん、いや、あの…社長?が、その…」

こんな有名人が、マッチングアプリで男を探していた、しかもあんな文言で。
信じられないことに混乱しながら、修平は同時に興奮もしていた。

「桜子でいいわ」

「あ、えっと…桜子さん…って、ご主人が」

「ええ、夫はいるけれど」

「いいんですか…こんなこと」

「だから秘密を守ってもらわないといけないの」

「あ、はぁ…」

「夫のことは愛しているわ、信頼もしているし…でも仕事のパートナーであり友人のような間柄なの、セックスは何年もしていない」

こういうことをするのは修平が初めてではないのだろう、慣れた様子で桜子は淡々と話した。

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