令和テレクラ・ブルース「呼び出し音は肉欲のプレリュード」 (Page 3)
お相手もリバイバルで
富永のテレクラ歴は、以上のように25年越えをしている。公私ともに入り浸っていた時期もあるので、エピソードの数を挙げれば枚挙に暇がない状態だった。
そんなある日中、富永は美奈代との激戦で濡れた股間が渇く間もなく、またしても「チャンススポット」に足を向けてみた。
昔からのクセで、「この日は!」という気合いの入った日には、午前中から入店するのが常だったからだ。取材や打ち合わせの帰りに寄る場合は除いて、富永が勝負するのは「決まって日中」だった。
主婦や熟女を狙うのは「午前中から」がセオリーだが、富永は出会い系が流行する以前からテレクラでも実践していたのである。
それに、4店舗が2店舗になると、弊害ばかりが目についてしまいがちだが、富永はこと遊びに関しては“ポジティブシンキング”をするようにしているのだった。
具体的にはどうかというと、店舗が閉店するとそこの店にコールしていた常連の女性からのコールが増えるのである。
その現象を富永は数度も経験して美味しい思いもしてきた実績もあったし、記事にもした。
今回、このウィルス禍で閉店した北千住(足立区)や竹ノ塚(同)の店の常連からのコールを期待していたのだった。
そして風は富永に向いて来たようだった!
最初の自粛期間が解除された途端に、コール数も増えたのである。富永は西日暮里に通ってコールを待ち、それで前述の美奈代のような純素人デパガとのセックスにも成功してきた。
ただし、その美奈代のケースは、多店舗閉店の影響ではなくて「自粛からの解放」と見た方が正しい。
それとは別に、閉店した店の常連からのコールも富永は見越していたのだった!
そもそも「出会い系」が隆盛を誇ってはいるが、熟女世代はテレクラで散々遊んだクチ。
「彼女たちは、少しでもホームに近い店にかけてくるに違いない」
と、富永は踏んでいたのである。
風の話しに戻ると、気合いをいれて通ってきた富永は、その日「フォロー(追い風)」を確かに感じたのだった。
実際に3時間のコースで腰を据えてコールに対峙してみると、「援」「割り」に混ざって、純粋な「ヤりたいコール」もボチボチと現れてきていたのである。
「もしも~し、私はちょうど50ですけど、おいくつ?」
と聞いても、「レディに年齢を聞くのは失礼よ!」と言って、ガチャ切りしてくる女性はほとんどいない。あらかじめ、取継ぐフロントマンが、こちらの年齢をコールしてきた女性に告げているからである。
だから、
「あ~ら、あなたより少し上よ。驚いたでしょ、オバーチャンで」
「44歳よ。若いコが良ければ変わるわよ」
というような、返しが多かったのだ。
平日の日中、そして自粛明けのために“溜まった性欲”を解消するためか、「ミドルを越えてシニアだな」と富永は思ったほどだ。
それに、20代からのコールもそこそこあり、せっかくのコールではあったが、時間と場所の折り合いがつかずに泣く泣くリリースした女性もいたくらいであった。
それでも富永にも時間制限と予算の都合があるので、そろそろキメなければいけない。そんな時にかかってきたのが、サオリだった。
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