添い寝リフレで、年下擬似彼女と甘々密着 (Page 3)

「ほ、ら? ダーリン、名前呼んで」

「…………マナ」

「ぷっ、あはははは。お兄さん、顔真っ赤~!」

 腹を抱えて笑いながら頬を指先で突かれる。
 そして気付いたことがある。この女、声がでかい。
 隣の部屋まで聞こえてそうで不安になる。

「お前こそ、ダーリンはどうしたんだよ」

「あ、ごめんごめん。で、ダーリンの名前は~?」

「圭介」

 愛想なく答える。
 なんの変哲も無い名前ですらバカにされそうな気がしたのだ。

「圭介ね。おっけー! じゃ今度デートしよ~? 圭介くんのお金で焼肉たべたぁい」

「何言ってんだ、ふざけんな」

 舐められっぱなしなのも癪なので頭を軽くはたいた。

「あ~、ひどいんだ。いいじゃん、お兄さんお金持ってそうだし」

 マナは頬を膨らませる。
 ころころ変わる表情は無邪気さそのままという感じだ。

「持ってたとしてあげる義理が無い。お前こそ稼いでるんじゃないのか」

「あれ、分かるの? ふふん、私ってばけっこう人気なんだよ~」

 指二本で小さくピースサインを作るマナ。
 自分で言うぐらいだし自信があるみたいだ。

「とりあえずオプションいっこ頼んでよ~、マナの焼肉のために」

 頤の前で両手を組んで首を傾げながらねだられる。

「オプション?」

「うんうん。ほらあそこに書いてるヤツ!」

 マナが指をさしたのは天井だった。
 ああ、なるほど。寝転がってみれば目に入るのは天井だからそこに貼ってあるのか。
 腕枕、手繋ぎ……うーん。あ、これにするか。

「ハグ、頼んでもいい?」

 オプションにハグ5回3000円とあった。
 そもそも添い寝って抱き合って寝るものだと思っていたのは俺だけだろうか。

「ハグね~~」

 マナはこくりと頷くと表情を綻ばせる。
 嫌々やっているという感じが全然しないのは素直に好印象。
 すっと両腕を背中に回されて、まとわりつくように抱きすくめられる。

「んふふ、いっかいめぇ。お金払ってるんだからたっぷり感じてね~~」

 うわ、想像以上にあったかい……!
 ふわふわと軽く浮遊感を覚えるくらいに、幸せな心地になってしまう。

「ね、ね」

 気付くと彼女の顔が目の前にあった。耳元に直接囁かれるのはくすぐったい。むずむずする。
 ぼーっとしている顔をしっかりと覗き込まれている。
 恥ずかしさから体温が上がるが、こんな狭いところでは彼女を突き飛ばしでもしなければ逃げ場がない。

「何だ?」

「お兄さんも、ハグして~? マナのことぎゅうぅぅ、って」

 手の甲をすりすりと撫でられる。
 嫌じゃないんだろうか。おそるおそる彼女の背中に手を置いた。

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